酵母菌プロバイオティクスのサッカロマイセスブラウディとは?

2024年02月02日

サッカロマイセスブラウディSaccharomyces_boulardii

サッカロマイセスブラウディは、人間の腸内に自然に存在する酵母の一種です。

研究によると、サッカロマイセスブラウディをプロバイオティクスとして摂取すると、下痢などの症状に効果がある可能性があることが示唆されています。

サッカロマイセスブラウディの、プロバイオティクスとしての使用法や利点などについて探ります。

サッカロマイセスブラウディとは?

サッカロマイセスブラウディは酵母の一種で、トロピカルフルーツの皮から発見されたのだそうです。

プロバイオティクスとは、健康上の利点がある可能性のある生きた微生物を含む食品またはその微生物自体を指しますが、サッカロマイセスブラウディは、人間の医療用のプロバイオティクスとして研究された最初の酵母と言われています。

サッカロマイセスブラウディには、プロバイオティクスとして役立つ可能性があるいくつかの特性があります。

例えば、胃酸や高温、胆汁、消化酵素などによっても消失しないため、生きたまま腸に届くことができると考えられています。

サッカロマイセスブラウディの利点

サッカロマイセスブラウディは、消化器の疾患に効果がある可能性があると考えられています。

例えば、次のような場合に役立つ可能性があります。

-旅行中の下痢

旅行中の下痢とは、旅行中に食べ物や飲み物に含まれるウイルス、細菌、原虫を摂取して下痢を起こすことを指します。

2019年のレビューでは、サッカロマイセスブラウディは、他のプロバイオティクスと比較して、旅行者下痢の予防にとても効果的であることがわかったようです。

-抗生物質に関連した下痢

抗生物質の摂取は、腸内細菌叢を破壊してしまう可能性があります。

そのため、別の病気の抗生物質による治療中に腸内環境が乱れ、下痢を引き起こす可能性があります。

抗生物質の使用は、場合によっては、抗生物質が腸内細菌叢のバランスを崩す腸内細菌叢異常を引き起こす可能性もあるようです。

2020年のレビューによると、サッカロマイセスブラウディは酵母であるため、抗生物質が殺すことができない菌であることが示唆されています。

これにより、抗生物質関連の下痢を予防し、治療後の腸内細菌叢の回復に役立つ可能性があることがわかります。

このようにサッカロマイセスブラウディは、抗生物質を服用している人の腸内フローラを保護したり、その後の回復を助けたりする可能性もあります。

研究中のサッカロマイセスブラウディの使用

サッカロマイセスブラウディを使用しての研究は、次のような症状に対しても進められているようです。

-ヘリコバクター・ピロリ

ピロリ菌は、多くの人の消化管内に存在する細菌です。

ピロリ菌は、消化不良や胃潰瘍を引き起こす可能性があものとして知られています。

2019年のレビューによると、抗生物質単独の治療と比較して、サッカロマイセスブラウディと抗生物質の併用はピロリ菌の除去により効果的であったことが示唆されています。

また、サッカロマイセスブラウディを服用している人は、治療による下痢や便秘などの副作用の発生率も低くなることもわかっています。

-クロストリジウム・ディフィシル
クロストリジウム・ディフィシルは病院で抗生物質を投与された人によく発生するようです。

その症状は下痢を引き起こし、命にかかわる可能性もある細菌です。

2020 年のレビューによると、クロストリジウム・ディフィシルに対する サッカロマイセスブラウディの使用に関しても効果が期待されているようです。

-炎症性腸疾患(IBD)
IBDは、消化管に炎症や痛みを引き起こす一連の症状を指します。

2019年のマウスを使った動物研究によると、サッカロマイセスブラウディは、炎症性腸疾患(IBD)に抗炎症効果を示したそうです。

現在では、更なる臨床試験が求薄められているようです。

-過敏性腸症候群 (IBS)
過敏性腸症候群 (IBS) は、下痢、便秘、けいれんをなどの一連の消化器症状が起こる状態を指します。

2020年のレビューによると、研究でサッカロマイセスブラウディを摂取したIBS患者は生活の質が向上したと報告されているようです。

他にもいくつかの動物研究において、症状の軽減に関してより良い結果が示されているようです。

-カンジダ症
サッカロマイセスブラウディと同様に、カンジダ菌もまた、人間の消化管で発生する酵母の一種です。

ですが、カンジダ菌は日和見菌であり増えすぎると不調の原因となります。

研究では、サッカロマイセスブラウディがカンジダ菌の増殖を阻害し、微生物を害から守ることができる可能性があることが示されています。

-脂質異常症
脂質異常症は、コレステロールやトリグリセリドなどの血液中の脂質のバランスが崩れている状態です。

ハムスターを対象とした2019年の研究では、サッカロマイセスブラウディプロバイオティクスがコレステロールを下げる可能性があることが示されたようです。

現在は、さらなる研究が進められているようです。

まとめ

サッカロマイセスブラウディは、いくつかの消化器症状や全身の症状に対して利点がある可能性がある酵母の一種です。

抗生物質による治療中に人の腸内細菌叢を保護し、治療後のマイクロバイオームの回復に役立つ可能性があります。

また、旅行者下痢やピロリ菌などのの感染症の治療にも役立つ可能性があります。

サッカロマイセスブラウディの使用については、現在も常に研究が進められているようです。

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引用文献:
Saccharomyces boulardii probiotics: What to know

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