食べ物と運動で血管と動脈硬化の予防や改善できるか

2018年11月16日

健康と予防の生活習慣

食べ物や食事、それに運動などの生活習慣の心がけで血管や動脈硬化の予防や改善ができるのかどうかを専門家に伺いました。

そこには想定していなかったことも含まれていました。

 

日本と欧米の動脈硬化?:

動脈硬化ということ血管と関係が深いようなイメージがあるのは、どの国でも同じかもしれませんが、動脈硬化そのものに対しては日本と欧米では違いがあると教えていただいたのは、東京都の健康づくり推進センターで元指導科医長を務められていた仲真美子医学博士です。

日本では動脈硬化は動脈が硬く、もろくなる脳出血型が多いもものの、ヨーロッパやアメリカをはじめとする欧米諸国においては、動脈がおかゆ状になるイメージのお粥状変化による狭窄で心筋梗塞型が多いとのことでした。

 

動脈硬化の原因?:

血管と関係がある動脈硬化は、血管の筋肉の弾力性が低下することが動脈硬化の発症の原因ともいわれますが、仲先生曰く、それは食べ物や食事で大きく予防したり改善の余地が出てくるということです。

食べ物や食事の中でも動脈硬化の予防や改善のカギになると考えられているのは、どうやらたんぱく質の質のようです。

血管を強く保ち老化や動脈硬化の予防や改善に必要と思われるのは、良質なたんぱく質なのだそうで、和食では特に豆腐、納豆などの大豆類や、魚、お肉類などが考えられそうです。

 

もう1つ、動脈硬化の原因に大きく関係しているものの中に炭水化物を含む食べ物や食事があるようです。

とりわけ、炭水化物を夜の食事で食べることは動脈硬化の原因をつくりやすいのだそうです。

といっても、毎日の食べ物や食事の中で炭水化物を食べないという選択をするのは日本で住んでいる以上は大変なことではないでしょうか?

その場合に、予防や改善におすすめされていたのが、食事の中で炭水化物を食べる量と順番を考えるということでした。

 

具体的には、炭水化物を含む食べ物がある場合は、できる限り後回しにするということです。

炭水化物は動脈硬化の原因になりやすいとはいわれるものの、食事の中で懐石料理のご飯のように食べる順番を最後に持ってくることで、そのリスクを減らすという考えのようです。

先に野菜などの食物繊維や、大豆をはじめとする発酵食品、魚や肉類などの食べ物に含まれる良質なたんぱく質を補っておくことは動脈硬化の原因となるリスクを減らせるということでした。

 

考えておきたいのは良質なという言葉が付いているということです。

肉類の中にはたんぱく質も含まれているものの脂質など他にも豊富に含まれています。

動脈硬化の原因にも挙げられる血管内腔の健康度合いを観るには、肉類などの食べ物や食事から生まれるコレストロールの変化で、特に悪玉コレステロールが原因となる血管の健康阻害を考えておく必要があるようで、そのために良質なたんぱく質という言葉になっているのだそうです。

 

運動と動脈硬化の原因:

食べ物や食事以外で運動も動脈硬化の原因にもなっていることが報告されています。

運動というと、つい大変な、又は沢山身体を動かして汗をかくなどのイメージがつきまとうかもしれませんが、動脈硬化との関係についてはそうでもなさそうです。

身体にとって少しの負荷がかかるだけでも全然違った結果が導かれるとのことでした。

例えば、坂道を歩いたり、階段を上ったりすることで血流の変化が生まれますが、その血流の変化が体内に発生することが、とても大切なのだそうです。

 

人によっては坂道や階段ですが、他にもゴルフをしたり、舞踊やダンスなどをする、自転車に乗ったり、筋肉トレーニングをしたりすることは血管の中で血流の変化を発生させることにつながりますので、必ずしも走ったり、沢山汗をかく必要は無さそうです。

簡単な運動だけでも自律神経を整えやすく、副交感神経も出やすいということも予防や改善のヒントになりそうです。

 

肥満予防と改善は男女で違う!?:

もう1つ知っておきたいのは、動脈硬化の原因の1つにも考えられている、肥満の予防や改善は男性と女性では違うということでした。

女性の場合に多いのは、皮下脂肪だそうで、特にお尻周りが大きくなりやすいのと同時に、食べ物や食事だけでは体重が減少しにくいものの、ちょっとした筋トレなどで体重が変わりやすいということでした。

 

対して男性の場合に多いのは、内臓脂肪で、お腹周りに余分な脂肪がつきやすいのだそうです。

そのためにも男性は特に夜の食べ物や食事の中でも炭水化物の食べ過ぎには留意することをおすすめされていました。

 

参考にした情報:
NPOイーマ 第143回定例会
平成30年10月12日
元東京都の健康づくり推進センター指導科医長 仲真美子医学博士による講演。
テーマ:からだを作り替えよう
~動脈硬化症は改善できる~

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