DHAオメガ3脂肪酸栄養素と歯周病や炎症

2015年06月09日

 

オメガ3脂肪酸栄養素と歯周病や炎症

歯周病や炎症とオメガ3

 

ハーバード大学医学部と他の医療センターによる研究:

歯科研究ジャーナルの発表によると、歯と歯茎の間にあるポケット部分がDHAを補うことで歯肉指数やポケットの深さ、歯肉組織の炎症においても改善されたことをアメリカのハーバード大学医学部や他の医療センターや研究所らの科学者による研究において明らかになりました。

 

●歯周病(炎症)とDHAサプリメント:

口腔健康の中でも歯周病については歯周炎と呼ばれるほど炎症との関わりが大きいことで知られ、放置することによる骨の吸収やひどい場合には歯を失う原因となったり炎症の拡がりにつながりかねないと報告されています。

同研究グループによると日本人に馴染みが深く和食として長年愛されている新鮮な魚の食材に含まれるEPAと同様にフィッシュオイルの長鎖オメガ3脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)が歯周炎を改善すると結論付けた報告書が発表されました。

 

●歯周炎症の研究報告とDHA:

ハーバード大学医学部のアスガルナクビー医学博士を中心とした研究グループの報告ではオメガ3脂肪酸であるDHAのサプリメントと大豆・トウモロコシ油をプラセボ(偽粒)を使用した3か月 間の研究期間の間、ランダムに選出された適度な歯周炎症(歯周病)を持つ55人に毎日において一日81mgのアスピリンに加え、一日に2,000mgのDHAのサプリメント摂取のグループとプラセ ボ粒のグループに分けて経過を診た結果、プラセボグループについては観られなかったものの、DHA投与グループにおいては46人について細胞膜中の赤血球濃度においてのDHAレベルが6.2~6.5%の間で増加あるいは上昇に転じたことが判明しました。また歯周病の核となる歯周ポケットの深さと炎症レベルにおいての改善が観察された結論についても研究班によって報告されました。

 

●日米の口腔ケアと健康:

口腔(オーラル)ケアでも炎症を伴う歯周病は虫歯と同様に気にする人が世界に共通して多く、歯周病はひどくなると骨までも破壊することができる感染症で、アメリカでは実に全人口の30~50%もの人が苦しんでいると報告されています。日本でも同様に多いことは確かですが、世界的に観てもあらゆる疾患の中でも二番目に多い疾患であることが告げられています。

 

オメガ酸と炎症や歯:

オメガ3脂肪酸と歯の健康についての関連性と有用性においては以前からの研究でも報告されており、特に抗炎症についての発表が多く存在します。

日本における発表でもDHAの摂取量が平均より低い高齢者の人々における平均的な歯周病指数や疾患は最高レベルの人々と比較した場合に1.5倍もの差が生じたことが報告されています。ニュートリション(栄養) 2010年26号1105~1109ページ

 

2014/08/11の記事の更新版です。
参考文献:
ハーバードレポート DHAオメガ3脂肪酸「歯周病成果の大きな改善」 ハーバードデータ ステファン・ダニエル 2014年7月14日
デンタルリサーチジャーナル 「成人におけるDHAと歯周炎:比較研究」 AZナクヴィ、Hハスターク、Lムー、RSフィリップス、デイヴィス、S.ハレムら 2014年6月26日

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