玄米や雑穀米は大腸がん予防に役立つ?
白米に玄米や雑穀を混ぜたご飯は、健康を意識した食事としてすっかり身近になりました。
食物繊維が豊富で、白米よりも栄養価が高いというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
実は近年、玄米などの全粒穀物は、大腸がんのリスクとの関係でも注目されています。
世界がん研究基金(WCRF)も、全粒穀物や食物繊維を含む食品の摂取が、大腸がんのリスク低下につながるという研究結果を報告しています。
普段何気なく食べているご飯を少し変えることで、どのような健康効果が期待できるのでしょうか。
白米と玄米では何が違う?
白米と玄米は、もともとは同じお米です。
玄米は、もみ殻を取り除いた状態のお米で、ぬか層や胚芽が残っています。
一方、白米は精米によって、ぬか層や胚芽の大部分が取り除かれています。
この違いによって、含まれる栄養素にも差が生まれることは多くのみなさんがご承知のとおりです。
玄米には白米よりも多くの食物繊維が含まれるほか、ビタミンB群やマグネシウムなどの栄養素も含まれています。
食物繊維は、消化酵素によって分解されにくく、大腸まで届く成分です。
便の量を増やして排便を促すほか、一部は腸内細菌によって発酵され、腸内環境にも影響を与えます。
玄米は単に白米よりも硬く、噛み応えがあるというだけでなく、精米によって失われやすい栄養素を摂取できる食品なのです。
全粒穀物と大腸がんの関係
全粒穀物とは、穀物の胚乳だけでなく、ぬか層や胚芽なども含む食品のことです。
玄米のほか、オートミールや全粒小麦なども全粒穀物に含まれます。
2011年に発表された解析結果によると、食物繊維の摂取量が1日10g増えるごとに、大腸がんの相対リスクが約10%低いという関連が報告されました。
また、全粒穀物の摂取量が1日90g多い場合には、大腸がんの相対リスクが約17%低いという結果も示されています。
全粒穀物や穀物由来の食物繊維と大腸がんの関係は、食事によるがん予防を考えるうえで重要な研究テーマとなっていることがうかがえます。
腸内細菌が作る酪酸にも注目
食物繊維が大腸の健康に関わる理由の一つとして、腸内細菌の働きが考えられています。
大腸まで届いた一部の食物繊維は、腸内細菌によって発酵され、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸が作られます。
中でも酪酸は、大腸の粘膜を構成する細胞の重要なエネルギー源です。
また、酪酸には炎症や細胞の増殖を調節する働きがあることが、研究などで示されています。
こうした作用は、食物繊維と大腸がんの関係を説明する仕組みの一つとして注目されています。
雑穀を混ぜればさらに健康的になる?
雑穀米には、もち麦、あわ、きび、ひえ、黒米など、さまざまな穀物が使われています。
それぞれに特徴があり、例えば大麦には、水溶性食物繊維のベータグルカンが含まれています。
一方、雑穀だからといって、すべての種類に同じ量の食物繊維が含まれているわけではなく、精製の程度によっても栄養成分は異なります。
また、雑穀米という名前でも、実際には白米が大部分を占めている場合があります。
食物繊維を増やすことが目的なら、商品の原材料や栄養成分表示を確認することも大切です。
白米に少量のもち麦を加える、玄米を混ぜるなど、食べやすい方法から始めてみるのもよいかもしれませんね。
まとめ
玄米や一部の雑穀は、白米に比べて食物繊維などの栄養素を多く含む食品です。
全粒穀物や穀物由来の食物繊維を多く摂る人では、大腸がんのリスクが低いという関連が報告されています。
その背景には、便通への働きに加え、腸内細菌が作る酪酸などの短鎖脂肪酸が関係している可能性があります。
ただし、玄米や雑穀だけで大腸がんを予防できるわけではありませんので、その点は留意が必要ですし、どれだけの頻度で白米を玄米などに置き換えるかによっても変化は違ってくるかもしれませんが、上記に述べられたとおり、マグネシウムをはじめとするミネラルやビタミンなどの栄養素は現代社会での生活では、どうしても不足しやすい栄養素のために体感はしやすくなるといえるかもしれません。
まずは、いつものご飯に少し混ぜる日を作るところから始めてみてはいかがでしょうか。
毎日食べる主食だからこそ、小さな工夫を無理なく続けていきたいですね。
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参考文献
食物繊維、全粒穀物、そして大腸がんのリスク
異なる食物繊維源と大腸がんおよび腺腫のリスク
世界がん研究基金:全粒穀物、野菜、果物、豆類に関する推奨
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