塩分が多い味噌汁は血圧のために避けるべき?
血圧が気になると、まず塩分を減らさなくては、と考える人は多いと思います。
そこで気になるのが味噌汁です。
味噌には塩分が含まれているため、血圧のことを考えるなら味噌汁は飲まない方がいいのでは、と思ったことがある方もいるかもしれません。
味噌汁を例に、塩分と血圧の関係や毎日の食事で気をつけたいポイントについて見ていきましょう。
塩分を摂りすぎるとなぜ血圧が上がる?
食塩に含まれるナトリウムは、体内の水分量や血圧の調節に関わる重要なミネラルです。
しかし、必要以上に摂取すると、体はナトリウム濃度を調整するために水分を保持しようとします。
その結果、血液量が増えて血管にかかる圧力が高くなり、血圧上昇につながることがあります。
日本の食事には、味噌やしょうゆ、漬物、干物など塩分を含む食品が多くあります。
味噌汁もその一つで、一般的な味噌汁1杯には1~2g程度の食塩が含まれることがあります。
毎日何杯も飲んだり、味の濃い料理や漬物などと一緒に食べたりすれば、1日を通した塩分摂取量が増える可能性があります。
そのため、血圧が気になる場合に味噌汁の塩分を意識すること自体は間違いではありません。
では、味噌汁そのものを避ければよいという話しになるのでしょうか。
味噌汁は本当に血圧に悪い?
実は、50~81歳の日本人527人を対象に、味噌汁を飲む頻度と血圧との関係を調べた研究では、味噌汁の摂取頻度と血圧との間に有意な関連は認められませんでした。
さらに、高めの血圧の40~69歳を対象とした小規模な臨床試験では、特定の味噌を8週間摂取したグループで、日中の血圧には変化がなかったものの、夜間血圧が低下したことが報告されています。
ただし、この研究で使用されたのは特定の配合の味噌で、参加者も40人と少人数でした。
そのため、この結果から、普通の味噌汁を飲めば血圧が下がると結論付けることはできません。
それでも、味噌に含まれる塩分だけを見て、そのまま血圧への影響を判断できるほど単純ではない可能性があるのは興味深いところです。
味噌や発酵大豆食品についてわかっていること
味噌は、大豆などを麹菌の働きによって発酵させて作る食品です。
発酵の過程では、大豆に含まれるたんぱく質などがさまざまな成分へと変化します。
日本人を対象とした研究では、味噌や納豆などの発酵大豆食品を多く摂取していた人では、その後に高血圧を発症する割合が低かったという関連も報告されています。
味噌は発酵食品だから、塩分を気にせず食べても大丈夫ということではありませんが、味噌をはじめとする発酵食品は、腸内細菌にも良い変化をもたらすことがわかっています。
健康に良い可能性のある成分と塩分の両方を含んでいることを理解して、上手に取り入れることが大切です。
具だくさんの味噌汁がおすすめ!
味噌汁の良いところは、味噌だけでなく、さまざまな食材を一緒に食べられることです。
例えば、豆腐、わかめ、きのこ、大根、玉ねぎ、じゃがいもなどを入れれば、一杯の中に大豆製品、海藻、野菜などを組み合わせることができます。
野菜やいも類などに含まれるカリウムは、ナトリウムを体外へ排出する働きに関係し、血圧を考えるうえでも重要なミネラルです。
研究では、ナトリウムを減らしカリウムを増やした調味料や食品を取り入れることで、尿中のナトリウムとカリウムの比率が改善し、収縮期血圧も低下したことも報告されています。
まとめ
塩分の摂りすぎは高血圧につながるため、味噌汁に含まれる塩分についても意識する必要があります。
一方、日本人を対象とした研究では、味噌汁を飲む頻度が高いほど血圧が高いという単純な関係は確認されていません。
だからといって、味噌汁なら塩分を気にしなくてもよいという意味でもありません。
味噌を控えめにしてだしを効かせ、野菜やきのこ、豆腐、海藻などを入れれば、昔から日本で食べられてきた味噌汁を楽しみながら、食事全体のバランスも整えやすくなります。
血圧が気になったとき、味噌汁を食卓からなくしてしまう前に、まずは「どのくらいの濃さで、何と一緒に食べているか」を見直してみるのもよいかもしれません。
それらに加えて、もう1つ大切なことですが、味噌をつくる際の塩の質によっても左右されると思います。
昔ながらの伝統的な本物の塩と簡単に生産されたナトリウムを加えるのでは、内容が異なると言えます。
味噌汁に限らず言えることではありますが、口の中に入れる食べ物が何で作られているのかを意識することはおすすめです。
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