人工甘味料入りのゼロカロリー飲料を水に置き換えて糖尿病に対抗?
糖尿病はもはや高齢者だけの病気ではなく、若年層や働き盛りの世代にも広がりつつある慢性疾患です。
特に2型糖尿病は、生活習慣の見直しによって寛解が可能であることが、最近の研究から明らかになっているようです。
これまで糖尿病対策は、主に食事や運動が中心とされてきましたが「日常的に口にする飲み物の選択」も大きな影響を及ぼすことが、注目を集めています。
飲み物と糖尿病の関連についてお伝えしたいと思います。
水への切り替えで得られるもの?
フランスの研究者らが実施した18か月間の臨床試験では、81人の2型糖尿病の女性を対象に、食後に飲む飲料を「人工甘味料入りのゼロカロリー飲料」または「水」のいずれかに指定し、それぞれの健康状態の変化を比較しました。
その結果、水を選んだグループの90%が糖尿病の寛解に達したのに対し、人工甘味料入りのゼロカロリー飲料を飲み続けたグループでは45%にとどまったことが報告されています。
この違いは極めて大きく、医療関係者の間でも注目を集めています。
さらに、水を摂取したグループでは、体重減少やインスリン抵抗性の改善、血糖値や中性脂肪の低下など、複数の代謝指標においても良好な結果が見られたようです。
なぜ人工甘味料入りのゼロカロリー飲料が問題に?
一見健康的に思える、カロリーゼロの甘味飲料ですが、その多くには、アスパルテームやスクラロースなどの人工甘味料が含まれています。
これが、体の代謝に悪影響を与える可能性が指摘されています。
主なリスクには以下のようなものがあります:
-甘い味に対する欲求を強化し、間食や過食を促進する可能性がある
-腸内細菌叢(マイクロバイオーム)のバランスを乱すことにより、インスリンの働きを妨げる
-食後の血糖コントロールに影響を与え、血糖値の乱高下を引き起こす可能性がある
人工甘味料は、カロリーゼロではあるものの、体内では必ずしも無害ではないことが重要なポイントです。
水は最もシンプルで最強の選択
この研究から導き出される最大の教訓は「水」の価値を再評価すべきだということです。
水にはカロリーも糖分も含まれておらず、内臓や細胞、血流などのあらゆる機能を支える最も自然で安全な飲料です。
特別な健康食品を買う必要はありません。
蛇口から出る水、あるいはペットボトルの水を選ぶだけで健康が改善する可能性があるのです。
実生活での水への切り替え方
人工甘味料入りのゼロカロリー飲料は、甘いのに太らない飲み物として長年の習慣になっている方も多く、いきなり完全にやめるのは難しいかもしれません。
そのため、以下のような段階的な切り替えをお勧めしたいと思います。
-まずは1日1本だけ水に置き換える
-味気ないと感じる場合は、レモンやライム、ミントなどで風味をつける
-無糖の炭酸水やハーブティーなども選択肢に含める
-自宅・職場にマイボトルを常備し、自然に水を選べる環境を整える
こうした小さな変化の積み重ねが、やがて大きな成果につながります。
医療だけに頼らず、日々の選択がカギ
糖尿病は、治らない病気と思われがちですが、近年では寛解の可能性が広く認識されるようになってきました。
薬だけに頼るのではなく、日々の食事・運動・飲み物の選択こそが、治療と予防の核心なのです。
「今日の一杯の飲み物」が将来の健康を大きく左右する可能性があります。
私たち一人ひとりが、自分の体にとって最善の選択をする力を持っているという事実を、いま一度思い出してみましょう。
そして、その第一歩は、人工甘味料入りのゼロカロリー飲料の代わりに、水を選ぶことから始まるかもしれません。
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引用文献:
To achieve diabetes remission, avoid diet soda and opt for water