ビタミンDの栄養素不足と過剰と健康への影響

2019年05月24日

さとうきびと空

近年、欧米では特に人気サプリメントのベスト5には常時入っているビタミンDの栄養素。

日光に当たる時間が少ない地域や季節では更にビタミンDの必要性は知られることろです。

多くの文献では、あまり表立って報じられてこなかった内容ともいえる免疫力を高めたり、感染予防にも効果があるなど、良い報告が発表されていることもあり、近年は益々人気の栄養素となっていくような感じさえしています。

しかし、70年代にはビタミンDは表舞台に出てくる栄養素の1つではなかったようです。

70年代までの生活習慣や暮らしには大きな変化を遂げた、外に出て太陽の光を浴びる時間が大幅に減った、ビタミンDを含む食べ物を食べていないなどの理由や原因は挙げられるものの、本当にビタミンDはサプリメントで摂取してまで必要な栄養素といえるのかの議論が専門家や研究機関、医療従事者などの間で活発化しているように思います。

80年代でも日光浴の過度な浴び過ぎは、皮膚がんや、動脈にある内膜で蓄積してきた脂質が原因で発生するといわれる動脈硬アテローム性動脈硬化などの原因になるリスクを高めるのではないかという報告もありました。

皮膚がんの原因などを考慮してか、あるいは、そのような報告があることが原因なのかは別として、近年の多くの専門家からは、日光浴で得るビタミンDよりも口から入れる方がおすすめされる機会が多いのもそのようなことと関係していることも考えられます。

また、口から入るいわゆる経口摂取でのビタミンD栄養補給は、皮膚がんをはじめとするがんとの関連性について報告されていないことも考えられそうです。

そのようなこともあってか、アメリカで行われた調査では、皮膚がんのリスクを避けたいことからも、外での活動を控えて屋内で行うように心がけているという人も少なくないようです。
その一方で、先人の生活環境や遺伝の観点からビタミンD不足や欠乏症になっている人も多く、そのことが原因で、症状や疾患が発生しているという見方もあります。

とりわけ、ここ10年程前くらいからは、血液中のビタミンD値が低くなることを避けることは、がんをはじめとする病気の予防になっているという証拠が築き上げられたとも報じられています。

また、ビタミンD欠乏や代謝異常が原因ともされる、くる病で生まれてきた赤ちゃんのニュースや骨が折れやすい子供が増えているというような報道などが北米では話題になったことも、民間の意識ではビタミンD栄養素の大切さを改めて考えるきっかけになったのかもしれません。

とはいえ、現在でも多くの医療機関やビタミンDを推奨するサプリメントのメーカーでも、多量の摂取はおすすめされず、摂取量の制限をうたっていることが一般的です。

ビタミンDをより多く摂取することを推奨する医療機関や研究者も少なくない反面、更なる調査や研究が必要と唱える専門かも少なくありません。

流行に流されないということを考えれば、気になる場合には、血液中のビタミンDの値を検査するという手も考えれます。

いずれにしても、これからもビタミンDの栄養素についての議論はまだまだ続くことが考えられます。

参考にした情報源:
Guide to Surving Prostate Cancer 第4版 パトリック・ウォルシュ医学博士 82ページ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28322879
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27557122
Nutr. Rep. International 1983年28号1111~1118ページ

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