乳がんの予防に大豆やイソフラボンは有効か

2019年03月08日

レシチンと健康

乳がんを経験する女性の数は日本でも増えてきています。

 

乳がんの予防を考えると私たちの食事でも中心となる和食に含まれる大豆やイソフラボンが有効であって欲しいと願うばかりですが、調査報告ではどうなのでしょうか。

 

乳がんの発症率と大豆やイソフラボンの消費:

乳がんと一言で言っても、以前と現代では様々意味において差が出ているように思います。

以前の日本では、乳がんになる人はほとんどおらず、世界の中でも優等生というイメージでした。

近年では、日本でも乳がんを経験する女性が増え、そのイメージも変わってきていると言えるかもしれません。

 

多くの専門家は、日本で乳がんが増えている原因として、食べ物や食事の変化を挙げています。

具体的には、昔の日本で乳がんの女性が少なかったのは、和食を食べていたからで、現代のように洋食を食べる習慣は今ほどではなかったというものです。

とりわけ、和食に含まれる割合が多い大豆やイソフラボンについては、日本をはじめとするアジア諸国の大豆やイソフラボンを含む食べ物や食事が多いことが、乳がんの予防になっているという結論に導く専門家が多い、あるいは多かったのではないでしょうか。

 

乳がんと世界と女性の健康

乳がんは一般的に世界では、致命的とも表現されることがある病気の1つです。

特に肌の色が白い人種であるいわゆる白人と分類される人々の間では、乳がんを発生する女性の確率は高い状態にあることが報告されています。

人種でいうと、白人以外で、ヒスパニック系、アフリカ系、アジア系の人種に分類した場合には、乳がんを発生する確率としては、白人女性が高く、アジア人は低い傾向にあることが報告されています。

 

乳がんをはじめとするがんになる確率論:

乳がんを発生するかどうかは、何も大豆やイソフラボンを含む食べ物や食事だけに限ったことではありません。

他の原因の例として挙げられる機会が多い中には、食べ物や食事以外にも、喫煙、アルコール摂取、ストレス度、睡眠時間、家系、体重や体脂肪の割合を示すBMI、国民性、環境や大気汚染、化学物質や薬品との関りなど、他にもさまざまな原因や要因が考えられています。

その中でも食べ物や食事が占める割合は35~60%程度の中に納まる可能性が高いことが報告されており、そのために乳がんの予防についても大豆やイソフラボをはじめとする食べ物や食事の話しに発展しやすい可能性も考えられます。

 

昔の大豆やイソフラボンと、今の大豆やイソフラボンの違い?:

上記に挙げたがんになる可能性やリスク、確率の中に含まれる因子に挙げられていないものの、近年増えている原因の1つも騒がれている1つに遺伝子組み換え食品が挙げられます。

また、それ以外でも土壌内のミネラルの環境も違うといえますし、細かく言えば、大豆やイソフラボンの品質自体からはじまって、生産方法や加工方法に至るまで様々な違いが生じていることも考えらえます。

専門家が大豆食品やイソフラボンを少なくともアメリカ国内の専門家の中には健康的な食品リストから除外した方が良いと言われる理由も挙げられているのも確かです。

 

私たち日本人にとっては、大豆やイソフラボンは伝統食品に含まれる栄養素ということや、健康的な食事の代表的な食べ物であるという認識からも、目にすることはありませんが、場所が違えば考えも違うということで、念のために下記に記載をしておきます。

・現代の大豆やイソフラボンは、伝統的に作られてきた生産や加工方法とは違う、
・アメリカ国内の大豆の約97%は遺伝子組み換え食品となっている、
・今の大豆に含まれるイソフラボンとたんぱく質の比率は、伝統的なものとは比重が違っている、
・可能性として、人種によっては、アジア人のように一般的に大豆やイソフラボンを体内で消化や吸収できる能力がそもそも違っている可能性がある、
・大豆やイソフラボンについて、まだ確かな効果や知識を十分に得ていない、
など。

 

乳がん症例の臨床現場の報告から:

臨床栄養(Clinical Nutrition)という名の専門誌に掲載されたばかりの乳がんとイソフラボンについての報告を紹介します。

同誌に掲載されたデータでは、11,169件における乳がんと648,913名の調査参加人数の前向きなコホート研究におけるデータ分析では、大豆やイソフラボンを含む適度な食べ物や食事では、乳がんとの関連性は大きな差を生まないものの、大豆食品を多く摂取する食べ物を続けることは乳がんの発症リスクが低くなったと報告されています。

そのために、大豆を含む食べ物や食事を続けることは、統計的には女性の乳がんの予防につながる可能性も考えられそうです。

ただし、大豆そのものの品質や加工方法、発酵の有無、遺伝子組み換えの有無、他の環境因子などによっても深く関連があることからも、全体的に観て判断することが望ましいといえそうです。

 

参考にした情報:
Food Science(食品科学) and Human Wellness(人間の健康)
第2巻、 3-4号、2013年9-10月、146-161ページ

Food Chemistry(食品化学)
第210巻、2016年11月1日、286ー294ページ

Clinical Nutrition臨床栄養
Volume 38, Issue 1, February 2019, Pages 136-145
第38巻、第1号、2019年2月、136ー145ページ


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