過敏性腸症候群(IBS)時の脳胃腸症状と認知行動療法

2024年04月12日

胃腸の健康

過敏性腸症候群(IBS)と認知行動療法の関わりについて報告されている文献が多く存在しています。

そのことからも、今回は過敏性腸症候群と認知行動療法から健康のヒントを探ります。

過敏性腸症候群(IBS)とは?:

過敏性腸症候群(IBS)は、腸-脳軸の障害に関連する多因子性胃腸疾患として知られています。

腸と精神の両面から引き起こされる疾患で知られていますが、原因は特に精神的なプレッシャーを受けた際、脳から腸への条件反射が起こることで発生することが多いと報告されています。

過敏性腸症候群は、一般人口の5%~20%に見られ、その症状があることで、生活の質を低下させることにつながると言われる慢性疾患のために留意が必要です。

主な症状例として挙げられることが多いのは、腹痛、膨満感、排便習慣の変化といえます。

治療方法には、薬物治療が存在するものの、心理療法で特に認知行動療法が有効であることが示唆されています。

過敏性腸症候群(IBS)の認知行動療法とは?:

認知行動療法(CBT)は、私たちの身体の精神的な側面にアプローチする方法で、近年多くの研究が進められていることで知られます。

認知行動療法の特徴として言えることとしては、症状を悪化させるストレスを明らかにして、それらに対処する方法を検討して実行に移していくということです。

具体的な例としては、ストレスのマネージメント(管理)や、リラクセーション、集団療法などが有効として知られています。

近年報告される期待の認知行動療法?:

過敏性腸症候群は、腸の消化管と脳のとの間で行われるコミュニケーション伝達に関係している症状でも知られています。

脳幹軸の変化に関わる調査についての報告があります。

過敏性腸症候群と診断された84名の患者さんを対象に、糞便を用いて、脳内の画像診断と共に心理的な評価を交えた調査が実施されました。

調査の結果、糞便セロトニンのレベルが増えたことに加えて、身体に良いとされる菌が増え、その一方で良くない菌数が減少したことが判明したとのことでした。

期待されたように、その報告では、脳の変化が出て、腸内微生物叢とマイクロバイオームにも同時に誘発されて、変化が見られたとのことです。

過敏性腸症候群(IBS)の改善に食事でできること?:

過敏性腸症候群に対して食事で改善できることも少なくないことが報告されています。

その具体的な過敏性腸症候群への食品と食事の内容としては、腸を手動とした食事療法がおすすめされています。

つまりは、腸に炎症ができにくい、食べ物や食事が良い影響をもたらしているということでもあります。

そのため、アレルギー反応を示す食べ物や食事は減らすことがおすすめされています。

食べ物や食事で限定するおすすめとしては、低発酵性オリゴ糖、二糖、単糖、多オール(FODMAP)食が挙げられています。

また、腸内細菌や善玉菌の観点から、腸内菌が喜ぶプロバイオティクスなどをはじめとするビフィズス菌や乳酸菌などの腸に良いとされる発酵菌類を活かしたり、増やしたりする食べ物や食事がおすすめされています。

過敏性腸症候群に関わる検査が必要な時は具体的な症状と検査の例?:

では、実際に過敏性腸症候群と診断された際に検査をおすすめされることや、自らの実態を知りたいと思う場合に、どのような検査を受ければ良いのでしょうか?

実際にアメリカの消化器病学会臨床ガイドラインでは、症状ごとに下記のような検査がおすすめされています。

◎過敏性腸症候群で下痢症状がある場合、血清学的検査を行うことで、セリアック病を除外する。

◎過敏性腸症候群で下痢症状がある場合、糞便カルプロテクチンの検査で、炎症性腸疾患を除外する。

他の症状時は専門医に相談をしながら行い、薬は医師の指導の下に相談をしながら治療をおこなうことをおすすめします。

いずれにしても、方法の重要なポイントとして、過敏性腸症候群の改善には腸内を中心とした食事と心理療法のアプローチがおすすめされています。

特にストレスが腸に与える心理はとても大きいために、ストレスの影響が大きいことが報告されていますので、自分の身体や精神と日ごろから向き合うことが予防にもつながると言えそうです。

キーワード: 過敏性腸症候群、認知行動療法、内臓過敏症、自律神経状態不安、ストレス

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参照文献:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24379577/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33315591/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34847963/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30522596/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29794287/

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