グルテンフリーの食事は、潰瘍性大腸炎の症状を軽減するのに役立つかもしれません。

報告によると、腸の健康とグルテンには大きなかかわりがあると言われています。

そのため、潰瘍性大腸炎の症状を軽減する1つの方法がグルテンフリーの食事とも考えられているようです。

潰瘍性大腸炎とグルテンフリーの食事について探ります。

潰瘍性大腸炎は

潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患 (IBD) の一種で、腸の炎症を特徴とする疾患です。

潰瘍性大腸炎では、下痢や腹痛などの胃腸症状が発生することがあります。

潰瘍性大腸炎の一般的な症状は次のとおりです。

-倦怠感
-発熱
-腹痛
-下痢
-便中の血
-貧血

潰瘍性大腸炎の症状は長期にわたる可能性があるため、根気強い治療が必要となるかもしれません。

その効果的な一つの方法が、毎日の食事療法と言われています。

潰瘍性大腸炎の食事療法では、グルテン、複合炭水化物、動物性食品を除去することがあげられるようです。

潰瘍性大腸炎の人の食事法について次からご紹介します。

グルテンフリーの食事とは

潰瘍性大腸炎の治療に使用する食事療法の一例として考えられているのが、グルテンフリーの食事療法です。

グルテンは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物に蓄えられるタンパク質の一種です。

以下のような多くの食品にグルテンが含まれています。

-パン
-麺類
-パスタ
-焼き菓子
-ビスケット
-ビール
-ほかの小麦粉を使用した食品
など

こうした食品を避けるグルテンフリーの食事法には、次のような効果があると考えられています。

-腸の健康を改善する
-腸の治癒を促進する
-全体的な症状を軽減し、投薬の必要性を軽減します
-全体的な生活の質を向上させる

ただし、グルテンフリーの食事法にはデメリットもあります。

グルテンフリーの食事で禁止されている穀物には必須栄養素やビタミンが含まれているため、代替の供給源を考慮せずに排除するしてしまうことで栄養欠乏症につながる可能性があります。

そのためグルテンを避ける食事法では、グルテンを含む食品の代わりに次のような食品を摂ることがおすすめされます。

-オート麦などのグルテンフリー穀物
-サツマイモ、玄米、キヌア、バターナッツスカッシュなど
-ナッツ、種子、ナッツバター、アーモンドプードル

また、健康のため下記のような食品を意識して摂ることもおすすめされています。

-新鮮な果物と野菜
-鶏肉、肉、魚、レンズ豆などのタンパク質源
-オリーブオイル、アボカド、ギリシャヨーグルトなどの健康的な脂肪
＊ただし、ヨーグルトは日本ではアレルギー反応を起こす人も少なくありませんし、他の上記の食べ物でも同様の可能性もありますので留意ください。

グルテン過敏症と潰瘍性大腸炎

2018年の研究では、グルテン過敏症は潰瘍性大腸炎患者に一般的な症状であり、その症状の長期化と関連していることが判明しがようです。

同様に、その後の研究では、IBD患者の3分の1がグルテン過敏症の診断を報告しています。

そしてその患者の多くが、グルテンフリーの食事を実践しているようです。

グルテンフリーの食事療法を行った人は、その65％以上が消化器症状の改善を報告していることが報告されているようです。

潰瘍性大腸炎とセリアック病

潰瘍性大腸炎とグルテンフリーの食事との関連性は、潰瘍性大腸炎とセリアック病の関連にも関係している可能性があります。

潰瘍性大腸炎とセリアック病はどちらも自己免疫疾患であり、特定の要因が自己免疫反応を引き起こし、腹痛や下痢などの胃腸症状を引き起こします。

（ただし、セリアック病は小腸に影響を及ぼしますが、潰瘍性大腸炎は大腸と直腸に影響を与えます。）

一方、セリアック病の唯一の引き金は、グルテンであることに対し、潰瘍性大腸炎の症状を引き起こす可能性があるのは次のような食品が挙げられます。

-乳製品
-精製された砂糖糖
-甘い飲み物
-辛い食べ物
-ブドウやメロンなどの特定の果物
-高繊維

ただし、潰瘍性大腸炎 とセリアック病が同時に発生する可能性があります。

まとめ

グルテンフリーの食事法は、もともとセリアック病やグルテン過敏症の症状を治療するために考案されました。

しかし潰瘍性大腸炎の患者も、食事からグルテンを除去すると症状が改善される可能性があります。

炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎の研究が日々進められている中で、グルテンフリーの食事が一部の潰瘍性大腸炎患者にとって有益である可能性を示唆しています。

グルテンフリーの食事で禁止されている特定の穀物は必須栄養素の供給源でもある場合があります。

食事制限を行う場合は、欠乏症とならないように留意が必要です。

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引用文献：
Gluten-free diet for ulcerative colitis (UC): What to know