アトピーなど湿疹や便秘と腸内環境との関係

2023年09月20日

皮膚炎と健康

大人になってもアトピー性皮膚炎で悩まされている方が増えてきているようです。

アトピーを持っている方は、同様に便秘の症状でも悩んでいる方が多いようです。

いくつかの研究では、便秘と湿疹との関連性が示されていますが、完全には理解されていません。

アトピーなどの湿疹と便秘の関係についてについて探ります。

アトピー性皮膚炎とは

一般にアトピー性皮膚炎と呼ばれる湿疹は、炎症と皮膚のバリア機能不全によって引き起こされると言われています。

アトピー性皮膚炎の原因ははっきりとしていないようですが、その症状には、肌の乾燥、かゆみ、刺激などがよく見られます。

しかし、アトピー性皮膚炎などの湿疹の症状は、皮膚だけにとどまらないことがあるようです。

湿疹による炎症は、体内のさまざまな器官に影響を与える他の症状を引き起こしたり、またはそれによって引き起こされたりする可能性があることがわかっています。

特に、「腸-皮膚軸」として知られる消化管と皮膚との密接な関係が発見される研究が増えています。

この軸が乱れると、腸と皮膚の両方の健康が損なわれる可能性があることが報告されています。

湿疹のある人は、便秘などの消化器系の問題も同時に抱えていることも多いようです。

腸-皮膚軸 湿疹と腸の健康

皮膚と、腸の内壁は、それぞれ毎日何十億もの微生物にさらされていると言われています。

また、皮膚と腸はどちらもアレルゲンや病原体に直接さらされる機会が多く、防御の第一線としても機能しています。

皮膚の自ら持つ防御がかなわず、病原体やアレルゲンにさらされると、炎症などの症状が引き起こされることがありますが、同じことが腸内でも起こる可能性があります。

便秘は、腸内マイクロバイオーム(消化管内に生息する細菌やウイルスの集合体)の変化や、腸内壁の炎症の原因となる可能性があります。

腸内マイクロバイオームの変化や腸内壁の炎症は、どちらも消化管のバリアに影響を及ぼし、体をさまざまなアレルゲンや病原体にさらす可能性があります。

たとえば「リーキーガット」は、皮膚を含む体内に広範な炎症を引き起こす可能性があります。

同様に、湿疹性皮膚炎の炎症は体全体に広がり、他の臓器に影響を与える可能性があります。

たとえば消化器系に影響を及ぼし、腸の健康に影響を与える炎症を引き起こす可能性があります。

このように、腸と皮膚の軸に沿って送信される信号は双方向に向かっており、お互いに影響しあっていることがわかります。

腸と皮膚の健康状態は両方とも関連しており、一方に問題が発生すると、もう一方にも悪影響が及ぶ可能性があることがわかります。

湿疹とその他の健康の関係

湿疹は、便秘以外の問題にも関連している可能性があるようです。

ある研究では、湿疹のある子供は、過敏性腸症候群(IBS)などの消化器疾患を患う可能性が湿疹のない子供に比べて30%高いことがわかったと報告されています。

また、別の古い研究では、湿疹のある子供では、下痢、嘔吐、吐き戻しなどの消化器症状が、湿疹のない子供よりも一般的であることがわかったようです。

湿疹に加えて、便秘は他のアレルギー症状との関連性があります。

便秘の人は花粉症やアレルギー性結膜炎を患う可能性も高いこともわかっています。

また、消化器系に問題がない人よりも、うつ病や不安症を経験する可能性が高かったり、乾癬やニキビなどの他の皮膚疾患も便秘と関連している可能性があることを示唆しています。

これらの問題とプロバイオティクスの摂取との関連は、研究され続けていますが、便秘を直すという意味ではプロバイオティクスの摂取も有効と考えられそうです。

プロバイオティクスはサプリメントもありますが、基本的には和食でもお漬物などの発酵食品にも含まれています。

発酵食品をはじめとする和食の多くは、アレルギー反応の根源と言われるグルテンや乳成分は含まれておらず、おすすめともいえます。

食事を見直したり、ストレス軽減に向けて行動をしたり、睡眠を確保したりなどと向き合うことがまずはおすすめです。

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引用文献:

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