プロバイオティクスの摂取が小腸細菌異常増殖 (SIBO) を引き起こす!?

2023年09月18日

マイクロバイオームと腸内

ポッコリお腹、下痢、便秘などを引き起こすことで知られる小腸細菌異常増殖 (SIBO) は、多数の細菌が小腸に定着することで発生します。

SIBOの症状、危険因子、治療法などについて見ていきたいと思います。

SIBOの症状

SIBOの主な症状は以下の通りです。

-膨満感
-下痢
-便秘
-原因不明のビタミン欠乏症、特にビタミンB12欠乏症

ただし、SIBOの症状は、細菌の異常増殖の程度や基礎疾患の有無などに応じて、人によって異なるようです。

SIBOの原因

これまでのところ、SIBOの原因ははっきりとは特定されてはいないようです。

ただし、以下の要因は、SIBOの一因となる可能性があると報告されています。

-腸内の運動性が低い:
通常、腸は食物と細菌を消化管に押し出し、小腸に細菌が過剰に蓄積するのを防ぎます。 しかし、運動性が低い人の場合、食物が小腸内で発酵してしまう可能性があります。

-腸内細菌叢:
腸内細菌叢のバランスが崩れ、有害な微生物が多すぎたり、有益な種が不足している場合にSIBOを引き起こす可能性があります。

以前の研究では、IBS患者のマイクロバイオームには多様性が少なく、有益な種が少ないことが示唆されています。

-低塩酸症:
低塩酸症とは十分な胃酸がない状態を指します。

この場合、胃酸が細菌を殺すのに十分な酸性ではないため、細菌が通常よりも消化管内を移動する可能性があります。

-構造的な違い:
小腸憩室症、瘻孔、結腸の短縮など、消化管に構造的な違いがあるために、SIBO が発生することがあるようです。

-アルコールの乱用:
アルコールの過剰摂取はマイクロバイオームに損傷を与え、腸内細菌叢の異常、腸壁の損傷、炎症を引き起こす可能性があります。

SIBOの危険因子

次のの基礎疾患を持つ人は、他の人よりもSIBOになる可能性が高くなる可能性があるという報告があります。

-甲状腺機能低下症
-糖尿病
-パーキンソン病
-短腸症候群
-アミロイドーシス
-全身性硬化症
-慢性腎不全

SIBOとプロバイオティクスと糞便微生物叢移植

SIBOは過敏性腸症候群 (IBS) に関連しているようです。

IBSを持つ人は、SIBOである可能性が高くなります。

ただし、IBSと診断されたすべての人が SIBO検査で陽性反応を示すわけではないようです。

ある研究では、プロバイオティクスがSIBOを引き起こす可能性があることが示されているようです。

腸内の運動能力が低い人がプロバイオティクスを摂取している場合、過剰増殖が起こりやすくなったり、増殖が悪化したりする可能性があると報告されています。

また、糞便微生物叢移植(FMT)は、医師がドナーの腸内細菌叢を直腸を介して患者に移植する、プロバイオティクスに関する新しい治療法です。

いくつかの事例研究では、FMTもまたSIBOを引き起こす可能性があることが示唆されています。

まとめ

SIBOは、大腸から細菌が小腸に移動するときに発生します。

膨満感、下痢、便秘などの症状を引き起こす可能性があります。

SIBO の治療には、通常、細菌の過剰増殖を除去するために抗生物質が使用されるようです。

プロバイオティクスがSIBOを引き起こす可能性があることも報告されていますが、抗生物質が良質な腸内細菌を死滅させてしまう可能性も考えられます。

プロバイオティクスの適度の摂取は腸や体に良いことがわかっていることから、気になる場合や、心当たりがある場合には、様子を見て使用することが良いのかもしれませんね。

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引用文献:

What to know about SIBO and its treatment

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