甲状腺ホルモン症状や疾患と目のドライアイの関係

2022年09月20日

甲状腺は、首の前面にあるホルモンを分泌する器官です。

女性に多いと言われる甲状腺疾患は、甲状腺から分泌されるホルモンが多すぎたり、少なすぎたりすることにより引き起こされます。

甲状腺疾患は、さまざまな症状を引き起こしますが、そのうちのいくつかは目に影響を与えることでも知られています。

「甲状腺眼疾患」と呼ばれる目の疾患は、ドライアイと似ているようです。

甲状腺疾患が目に与える影響について調べてみました。

甲状腺疾患の種類とその症状

はじめに、甲状腺疾患の種類について改めておさらいしておきたいと思います。

甲状腺機能には、甲状腺機能亢進症と、甲状腺機能低下症があります。

甲状腺機能亢進症は、甲状腺があまりにも多くのホルモンを産生することにより引き起こされます。

【甲状腺機能亢進症】

甲状腺機能亢進症では、次のような症状が現れる可能性があることが報告されています。

-心臓の動悸
-震え
-不安
-発汗
-減量
-睡眠障害
-疲労

また、日本でも増えて来ていることが報告されている「バセドウ病」については、甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性のある自己免疫状態です。

ほかには、ヨウ素の過剰摂取、甲状腺炎なども、甲状腺機能亢進症の引き金となる可能性もありとされています。

反対に、甲状腺機能低下症はホルモンの分泌があまりにも少なすぎることにより引き起こされます。

【甲状腺機能低下症】

甲状腺機能低下症では、次のような症状が現れる可能性があります。

-昏睡
-疲労
-便秘
-体重増加
-寒さ不耐症
-乾燥肌
-声変わり

「橋本病」は、甲状腺機能低下症を引き起こす可能性のある自己免疫疾患で知られています。

他には、食事性ヨウ素の不足、以前の甲状腺治療、うつ病などの特定の薬の副作用などが原因となる可能性もあるようです。

ドライアイと甲状腺

甲状腺疾患は、このようにさまざまな症状を引き起こす可能性があります。

そして意外なことに、目にも影響を与える可能性があるようです。

その症状は以下のとおりです。

-水晶体を保護する角膜内の神経線維が少なくなる

-角膜の感度の低下

-涙の減少と急速な涙の蒸発

-目の膨らみ

このうち、涙の減少と急速な涙の蒸発と、目の膨らみはドライアイにと同じか、非常に似通った症状である可能性があるようです。

また、「甲状腺眼疾患」の最初の兆候には、次のようなものがあります。

-まぶたの腫れ
-目の痛み
-過度の涙
-かすみ
-ダブルビジョン
-光に対する感受性が強すぎる

通常であれば、ドライアイで済ませてしまいがちな症状ではあります。

ただし、以前に甲状腺に何らかの問題を抱えたことがある場合は、甲状腺によるものである可能性を視野に入れておくことも必要かもしれません。

甲状腺によるドライアイの治療

甲状腺眼疾患の場合、甲状腺事態の治療を進めてもドライアイが緩和されない場合が多いようです。

そのため、ドライアイなどの症状を緩和させるためには、次のような方法が提案される場合が多いようです。

-エアコンなどの風を直接受けないようにする

-家庭で加湿器を使用する

-屋外でサングラスをかける

-PCやスマートフォンなどのスクリーンタイムの短縮

これらを工夫したうえで、ドライアイ用の目薬などを適宜利用することにより、ドライアイは緩和される可能性があります。

もちろん、恒常性関連ではない通常のドライアイをお持ちの方も、上記を試してみる価値もあるように思います。

眼をいたわって、疲れにくい眼を保つことも、全身の健康や安心につながるものと思います。

眼をいたわることに特化したサプリメントなども良いかもしれませんが、その前に自己免疫疾患やアレルギー反応との関りが報告されている食べ物や食事、それに生活習慣などを見直してみることがおすすめといえます。

また、自己診断は思い込みのもとにもなる可能性があります。

そのことからも、日本でも専門家が増えているように思いますので、気になる場合には、相談をしてみることがおすすめです。

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引用文献:
What to know about thyroid disease and dry eyes

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