甲状腺機能の低下に関連する症状とわかりにくい理由?

2019年07月19日

健康

甲状腺機能の低下は女性に多くみられますが、甲状腺機能の低下に関連するような症状も多いようです。

男性より女性に甲状腺機能の低下が多い理由と、特有の症状や診断がわかりにくいのにも理由がありそうです。

 

女性に多い甲状腺機能の低下症状:

米国の統計では、4名に1人の女性が甲状腺に何らかの課題や問題を抱えている可能性があると報告されているようです。
中でも28%の人はハシモト病と診断されているようです。
また、炎症性の症状や疾患でも全ての甲状腺疾患の20%を占めるとの報告もあります。
甲状腺炎の多くは免疫関連が基の原因や理由になっていると考えらえています。

一般的に慢性的に疲れが残っているように感じる慢性疲労症候群の場合、自己免疫疾患という診断が下されるまでに10年かかることも少なく無いとも報告されています。
そう考えると自己免疫疾患との関連性も高い甲状腺機能の低下の場合も、症状も多く、見分けにくくなることも考えられます。
甲状腺でも一般的な自己免疫と関わる状態の中では、リンパ球性とハシモト病と、グレーブの甲状腺炎が含まれると報じられています。

ハシモト病もグレーブ病も甲状腺と直接的にお互いに作用することが原因となって、炎症が発生し、甲状腺の機能に影響が出るということのようです。

 

女性に多い理由はホルモンバランスと女性特有のもの?:

甲状腺の症状や自己免疫疾患のような症状や病気は、なぜ女性に多いのでしょうか?
1つは甲状腺はホルモンとの関連性が高く、女性はホルモンバランスと健康が密接につながっていることも考えられます。
女性の場合、特有の生理や周期、妊娠や出産などのイベントがあります。
女性の産後甲状腺炎には、妊娠や出産、流産などの数年以内に症状が発生することも多いようで、ホルモンバランスの変化が大きい一過性の場合と、慢性的な症状になる場合もあるようです。

 

症状との関連性や原因などについて:

甲状腺の機能と関りや原因などについて、報告されていることも多くあるようです。
甲状腺の機能や値についてすぐにわかれば良いのですが、肥満などのような症状とは異なり、外見では判断ができないことが報告されています。
また、診断に何年もかかる他の原因や理由として、血液検査でもわかりにくいことも多いようで、現在でも40%程度は発見されないとの報告もあります。
高血圧や肥満のBMI、体内脂肪やコレステロール値のように絶対値を見れば判断できるものとは違うということです。
また、原因についてもカロリーの摂り過ぎやアルコールの飲みすぎなどといった理由だけでもなく、様々な原因とつながり合っていることも診断の遅れにつながっていると考えられています。

 

症状や関連性を考える:

上記のような理由からも、甲状腺機能が低下していても、一般的な生活でわからないことが多いといえます。
状態や症状、関連性のヒントとなるキーワードを導き出すことも難しいと言えそうですが、ヒントになりそうなものに下記は挙げられるかもしれません。
・アレルギー反応、
・慢性的な疲労(十分な睡眠をとっても疲れが取れない)、
・頑張っても肥満解消や体重増加ができない、
・糖尿病の心配が大きい、
特に妊娠中や後と糖尿病が重なっている時期は、統計的には甲状腺炎の有病率は10%程度高い結果が出たことが342人への追跡調査で報告されています。
・妊娠中や出産後などは甲状腺ホルモンを診ることはおすすめ、
・食べ物や食事でワカメや昆布などの伝統的な和食の海産物に含まれることが多いセレンやヨウ素に気を配る、
・アレルギー反応しやすい小麦や乳製品をはじめとする可能性が考えらる食事は注意する、
・喫煙は注意する、
タバコを吸うことでヨウ素が失われやすいとも報告されるため、
・腸内環境やお通じに気を配る、
腸内の炎症や菌のバランスの悪さは炎症の原因になりやすく、甲状腺との関連性も高くなる可能性、
・甲状腺の検査、インスリン、超音波、抗甲状腺抗体の存在、

など。

 

甲状腺機能も自己免疫系にも言えることですが、調査や報告も日進月歩と言わながらも、判断は難しいのが一般的です。
その意味では、知識が豊富で新しい情報にも意欲的に勉強されながらも良いかかりつけ医を味方につけることもおすすめと言えるかもしれません。

 

 

引用した情報源:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27100868
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31255196
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25251231
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23723083
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25186500
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25231451
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24716668
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23581474
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25516464

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