腸透過性に及ぼす食事と食品栄養素の影響

2021年11月14日

食事成分の栄養素

腸透過性とは、腸のフィルター機能の働きのことを言います。

腸管透過性が高いと、腸内を保護するバリア機能が破壊され、食べ物がきちんと消化されずに吸収されてしまいます。

これにより、アレルギーを引き起こすばかりか、腸炎などの腸の病気のきっかけとなる場合があります。

腸の透過性は、食べ物によっても変化することが報告されています。

どのような食べ物が腸の透過性を高めているのかについて調べてみました。

・腸透過性(ちょうのフィルター機能)のしくみ

正常な腸の障壁は、内腔、上皮細胞層、そして状層中の複数の成分から成っています。

腸粘膜は、食物の栄養を吸収するだけでなく、腸内の潜在的に有害な微生物および環境抗原を保持しながら免疫監視を調節するという点で、半透過性のバリア機能を持っています。

このような腸のバリアシステムは、粘液層、腸上皮細胞、免疫細胞、そして食物などの外的要因の影響を受けやすい腸内微生物叢で構成されています。

このバリア機能が破壊されると、腸透過性が高くなり、有害なものが腸を透過して体内に広がってしまいます。

その結果、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、大腸炎、クローン病、セリアック病、またメタボリックシンドローム、肝臓病、うつ病など多くの疾患などの病原となる可能性があります。

・腸透過性を高める食べ物

食事内容と腸透過性との関係を明らかにするために日々研究が行われています。

最近の報告では、過剰な食物脂肪の摂取が腸透過性を差し出して高めるという報告が増えているようです。

例えば、高脂肪食は、腸透過性の発現と分布を左右するという研究結果があります。

高脂肪食は、バリアを破壊するためのサイトカインやインターフェロンを増加させ、バリア形成サイトカインを減少させることにより、腸透過性を高めるとのことです。

高脂肪食はさらに、腸粘液組成を減らし、バリアを破壊する悪玉菌を増やします。

さらに腸透過性に大きく関わる食物は、小麦粉です。

小麦や他の小麦関連の穀物の成分と胃腸粘膜の接触が起こることにより、腸の上皮障壁が傷ついてしまいます。

この結果もっとも起こりやすいのが自己免疫疾患の一つであるセリアック病です。

グルテンフリーを心掛けることにより、腸のバリア機能を維持することにつながります。

またほかの食品では、白砂糖や卵や肉、牛乳などの高たんぱく食品、腸管透過性が高くなりやすいと言われています。

・腸のバリア機能を高めるためには

腸のバリア機能を高めるには、やはり腸内環境を整えることが必要です。

上記の食べ物の摂取を調節しながら、野菜などの食物繊維とプロバイオティクスを摂取することにより、腸の透過性の増加を減少することわかっています。

特に、ラクトバチルス・ラムノサス、やラクトバチルス・レテリなどのプロバイオティクスの摂取により、腸透過性の増加を有意に減少させることが期待できます。

腸透過性と食品の影響のまとめ

このように、腸のフィルター機能、バリア機能を示す腸透過性が高くなると、腸を透過して体内に広がった有害なものにより、腸炎やセリアック病をはじめとする様々な疾患の原因となります。

小麦粉、高脂肪、白砂糖などの摂取を減らし、食物繊維、プロバイオティクスの摂取を増やすことで、このような疾患から身を守ることにつながります。

ご存じのとおり、腸は全身とつながっています。

心掛け一つで食卓は変わります。

ボリュームがあって食べ応えのある食事よりも、素材の味を楽しむ食事を、ぜひ、おすすめしたいと思います。

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引用文献:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32902315/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31268137/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31581491/
https://en.wikipedia.org/wiki/Intestinal_permeability

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