眠りだけではなくがんや呼吸器疾患にも期待のメラトニン

2020年05月25日

メラトニン

・メラトニンと生活リズム

メラトニンは、動物や植物、バクテリアにまでほとんどすべての生き物に存在する物質です。

メラトニンは脳の松果体によって夜になると分泌されるホルモンで、明るくなると自然と分泌量が減ります。

メラトニンが十分に分泌されることによって、質の良い睡眠が確保され、目覚めもよくなります。

私たちの体は、毎日の生活リズムを正しくすることにより自律神経が整い不調なく生活を送れるようになります。

自律神経が乱れると、頭痛や腹痛、耳鳴りなどの原因不明の体調不良をおこしたり、普段よりもストレスを強く感じやすくなります。

健康の味方であるはずの腸内細菌も、自律神経が乱れていると元気に活動できません。

このような点から、メラトニンはとても大切なホルモンと言えます。

 

・メラトニンとがんや心疾患

メラトニンには、眠り以外にも驚くほどの健康効果があることが分かっています。

メラトニンは、アンチエイジング、神経保護作用などの眠りと直接関係しそうな作用以外にも抗癌、抗腫瘍にも効果が期待できるそうです。

メラトニンががんの発生と成長を抑制し、どのステージのがんにも効果が期待できるという研究報告もあります。

メラトニンが血管系へのがん細胞の進入を制限するため、転移に関連する明るい情報も出てきています。

血管系への抗酸化機能のためか、心臓血管にかかわる疾患に対しても、メラトニンは影響を持っているようです。

 

・メラトニンと呼吸器疾患

さらにメラトニンは、抗ウイルスや呼吸疾患にも効果が期待できるとの報告もあります。

喘息、感染症などの呼吸器疾患、慢性肺疾患、肺がん、血管性肺疾患など、呼吸器疾患の治療におけるメラトニンの可能性には非常に注目が集まっています。

 

・メラトニンの分泌を増やす方法

-朝起きたら太陽の光を浴びる
-日中はできるだけ身体を動かす
-寝る前にはできるだけスマホやテレビなどを見ない
-バナナや乳製品など、トリプトファンが含まれる食品を摂る。

 

古代の人々は、暗くなると眠り、明るくなると起き、日中は活動的に生活をしていました。

そのため、現代人に比べてうつ病やがん、心臓病などがほとんどみられませんでした。

現代人は、夜更かしやストレス、運動不足やスマホやパソコンのブルーライトなどによって、メラトニンが分泌されにくい環境にあります。

家にいる時間が長いと、どうしても生活リズムが乱れたり、太陽の光を浴びる時間が少なくなってしまいます。

現代の社会や環境ではメラトニンがどうしても出にくい状況になりがちのために、とても大切な睡眠が確保できずに障害になってしまっている人が多いように思います。

睡眠時間は日本人が欧米諸国の人たちの睡眠時間と比較した場合、1時間前後平均して短いという調査があります。

欧米の多くの研究では、睡眠時間を最低7時間以上、できれば8時間確保するようにおすすめされています。

日本の平均睡眠時間は6時間代で、男性だけではなく、日本の家庭の場合では、家事をより多くする傾向から、女性が朝から多忙な時間を過ごしているということがデータで報告されています。

睡眠時間が長年にわたって短いということになってくると、年齢と共に変化する体調などに影響を与える可能性が出てきますし、その先には認知症などへの影響懸念が睡眠時間不足の場合には心配しておく必要が出てきます。

そのような意味からも、睡眠時間の確保は私たち日本人にとっては、とても大切といえます。

今こそ、メラトニンがたくさん分泌される生活を送るようにしてみてはいかがでしょうか。

 

参考にした記事
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25908646/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30215696/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27558675/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18078444/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28420185/

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