有機ゲルマニウムと無機ゲルマニウムの違いとは?
ゲルマニウムは免疫系など体に良いという情報を目にしたことがある方も多いかもしれません。
一方で、ゲルマニウムに関しては、否定的な話題が語られることもあるようです。
実は、この混乱の背景には有機ゲルマニウムと無機ゲルマニウムがまったく別の物質であるという事実が、十分に共有されていないことがあるようです。
海外の医学論文をもとに、有機ゲルマニウムと無機ゲルマニウムの違い、安全性などについて整理します。
ゲルマニウムとは?
ゲルマニウム(Germanium)は周期表に存在する元素の一つで、自然界では鉱物や微量元素として存在しています。
しかし、健康や医療の文脈で語られるゲルマニウムは、化学構造によって性質が大きく異なる点を確認しておく必要があります。
ゲルマニウムには、大きく分けると次の二つがあります。
-無機ゲルマニウム(Inorganic germanium)
-有機ゲルマニウム(Organogermanium)
この二つは、同じ「ゲルマニウム」という名前がついていても、生体内での動きや安全性がまったく異なるようです。
無機ゲルマニウムとは
無機ゲルマニウムは、元素としてのゲルマニウムや、二酸化ゲルマニウム(GeO₂)などの形態を指します。
過去に「健康目的」で摂取された事例がありましたが、腎障害や神経障害を引き起こした症例報告も、複数存在します。
特に日本や欧米で報告されたケースでは、無機ゲルマニウムを長期摂取した人に、次のような症状が発生したことが記録されています。
-急性腎不全
-慢性腎障害
-神経障害
海外論文では、無機ゲルマニウム摂取と腎毒性との関連が明確に指摘されています。
このため、無機ゲルマニウムは現在、健康目的での使用は危険とされており、推奨されていません。
有機ゲルマニウムとは
一方、有機ゲルマニウムは、炭素を含む有機化合物として合成されたゲルマニウム化合物です。
代表的なものが カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド(Ge-132) です。
この物質は、1970年代以降、主に海外で基礎研究が行われています。
そして、次のような特徴が報告されています。
-水溶性が高い
-体内に蓄積しにくい
-腎毒性が認められなかった
研究の結果、無機ゲルマニウムで報告された腎毒性が、有機ゲルマニウムでは再現されなかったことが整理されています。
なぜ混同が問題になる?
ゲルマニウムに対する否定的な評価の多くは、無機ゲルマニウムの有害事例が原因です。
しかし、その情報が「ゲルマニウム全体」に一般化され、有機ゲルマニウムまで同一視されてしまった経緯があります。
海外論文では、
「無機ゲルマニウムの毒性データを、有機ゲルマニウムに適用するのは科学的に不適切である」
と明記しているものもあります。
このような論文では、化学構造の違いが生体影響に直結することが強調されています。
有機ゲルマニウムの研究上の位置づけ
有機ゲルマニウムは、免疫応答や酸化ストレスとの関連について、主に基礎研究・動物研究が行われてきました。
一部の研究では、次のような作用が報告されています。
-免疫細胞の活性調節
-炎症反応の調整
具体的には、がんの予防としても期待されているようです。
ただし、医薬品として確立されたものではありません。
重要なのは、有機ゲルマニウムは安全性が比較的確認されている研究素材であり治療薬や万能な健康成分として確立されているわけではないという点です。
まとめ
無機ゲルマニウムと有機ゲルマニウムは、名前が似ていても、化学構造・体内動態・安全性がまったく異なる物質です。
-無機ゲルマニウム
腎毒性・神経障害の報告があり、健康目的での使用は危険
–有機ゲルマニウム
水溶性で体内に蓄積しにくく、無機型とは異なる安全性プロファイルを持つ
ゲルマニウムに関する情報を見る際には、どの形態のゲルマニウムなのか、また、どのような研究を根拠にしているのかを丁寧に確認することが不可欠と言えそうです。
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引用文献:
Germanium dioxide-induced nephropathy: a new type of renal disease
A Toxicological Evaluation of Germanium Sesquioxide (Organic Germanium)
The role of germanium in diseases: exploring its important biological effects






