グルテン不耐症か過敏症かを判断する方法と、大切なこと
小麦などに含まれるグルテンが体に与える影響は大きいことがわかっており、自らグルテンフリーの食生活を選択する人も増えてきています。
グルテンに気を付けるべき食品や、不耐症か過敏症かを判断する方法を見ていきます。
グルテンは?
グルテンは、小麦、ライ麦、スペルト小麦、大麦などの穀物に含まれるタンパク質の一種です。
中でも、私たちに最もなじみ深いものは小麦で、小麦粉はパンやパスタ、うどんなどの原料となっています。
小麦粉が水と混合すると、グルテンタンパク質により接着剤のような粘りのある状態になります。
この接着剤のような性質により、生地に弾力性が生まれ、もちもちとした満足感のある食感を得ることができるようになります。
グルテンという名前は、この接着剤のような性質に由来しているそうです。
しかし、この接着剤のような粘りと弾力性を持った小麦が体内に入ることで、私たちの体が悪影響を受けてしまう可能性があるようです。
グルテン不耐症
グルテン不耐症は、体がグルテンに耐えられず調子が悪くなる状態を言います。
グルテン不耐症には、セリアック病、グルテン過敏症、小麦アレルギー、などのいくつかの病気が含まれます。
-セリアック病
セリアック病は、グルテン不耐症の最も重篤な状態です。
セリアック病は、自己免疫疾患で、体がグルテンを異物として扱う自己免疫疾患です。
体の免疫系が腸の内壁を攻撃することにより、腸壁が損傷し、栄養欠乏、貧血、重度の消化器系の問題、など、多くの病気のリスク増加を引き起こす可能性があります。
グルテン不耐症の一種である、セリアック病の主な症状は次のとおりです。
-消化器の不快感
-下痢や便秘
-膨満感
-小腸の組織損傷
-頭痛
-疲れ
-皮膚の発疹
-うつ
-原因不明の体重減少
中には消化器症状がなくても、疲労感や貧血などの症状が現れる人もいるようです。
セリアック病の診断は難しく、ある研究では、セリアック病患者の 80%が自分がセリアック病であることを知らなかったと報告されています。
非セリアック病グルテン過敏症
グルテン過敏症は、「グルテンを含む食品を食べることによって症状が出現し、食べないことによって改善されるという疾患のうち、セリアック病と小麦アレルギーを除いたもの」と定義されているようです。
グルテン過敏症の症状には次のようなものがあります。
-下痢
-胃痛
-疲れ
-膨満感
-うつ
グルテン過敏症は、グルテン関連障害のうち最も多くみられる症状のようです。
グルテン不耐性と過敏症を区別する方法
胃腸の不調など、消化器系に現れる不快な症状の原因を見つけるためには、まず最初に医療機関でセリアック病の検査を受けることが大切です。
血液検査や小腸の組織を調べることで、グルテンに対するアレルギー反応(グルテン不耐症)があるかどうかを確認することができます。
セリアック病でないと診断された場合でも、非セリアック性グルテン過敏症の可能性を探るには、一定期間(数週間程度)グルテンを除いた食事を試し、その間に症状が改善するかどうかを観察します。
もしグルテンフリーの食事を続けても改善が見られず、再びグルテンを摂取しても症状が悪化しないようであれば、不快感の原因はグルテンではない可能性が高いと考えられます。
そのような場合は、過敏性腸症候群(IBS)など、他の消化器疾患の可能性も視野に入れて、専門医に相談すると良いでしょう。
大切なこと
グルテンを摂取するかどうかに関わらず、口にする食品や飲み物のラベルをしっかり確認することは非常に重要です。
思いもよらない形で、意図しない成分が含まれている場合があるからです。
特にグルテンは、驚くほど多くの食品に含まれており、例えば調味料などに含まれている場合もあります。
ほとんどの自然食品にはもともとグルテンが含まれていないため、健康的な食生活を目指すためにはできるだけ自然な食品を選ぶと良いかもしれません。
自然にグルテンを含まない健康的な自然食品はたくさんあります。
例えばお米やそば、オートミールなどに小麦は含まれません。
また、肉や野菜や魚介類、果物など、素材そのものの味を楽しめる食品に、小麦粉は入りません。
また、加工されたグルテンフリー製品よりも、自然なグルテンフリー食品を選択すように心がけるとより良いかもしれません。
食品を選ぶ際は、成分表示をよく確認し、安心して食卓を囲めるよう心がけたいものですね。
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引用文献:
What is gluten, which foods have lots, and how to tell if it is an intolerance vs. sensitivity
非セリアック・グルテン過敏症
2025年4月20日記事を更新いたしました