認知症の予防に高血圧を予防または治療する?

2022年11月10日

健康的な活動と習慣

高血圧と聞くと、心疾患などとの関連を思い浮かべる方が多いかもしれません。

ですが、最近の研究では同時に、高血圧は認知症のリスクも上げる可能性があることがわかったようです。

認知症に対する降圧薬の効果はあるのでしょうか。

認知症と高血圧の関連について探ってみました。

降圧薬が認知症をも予防!?

高齢者を対象とした最近のメタ分析では、中年期の高血圧と認知症および認知機能低下のリスク増加との間に強い関連性があることが実証されたようです。

さらに研究によると、人生の中盤から晩年にかけて降圧薬を服用すると、認知症のリスクが低下することがわかったようです。

結果的に、血圧を下げる治療が認知症のリスクを大幅に低下させることが発見されました。

高血圧のしくみと認知症の関係

血液が体内を循環するときに動脈にかかる力を、血圧といいます。

高血圧は、血管が老化して弾力性を失った結果であり、血管壁を押す血液の力が一貫して高すぎる場合に高血圧と診断される可能性があります。

血圧が高くなると、血管に負担がかかり、動脈の壁が厚く硬くなったり、狭くなったりします。

これを動脈硬化といいます。

この動脈の狭窄が脳内で起こり、栄養素と酸素の不足を引き起こすと、脳が適切に機能するのを妨げる損傷を引き起こす可能性があります。

これが、血圧と認知症との関連の一つと言えそうです。

脳の血管疾患を減らすことによって、神経変性疾患の影響と戦うために利用できる無傷のニューロンが増えるということのうようです。

高血圧は、結果的に脳卒中を起こす原因にもなります。

脳卒中には、脳細胞死を引き起こす可能性があり、アルツハイマー病に次いで2番目に多い認知症である血管性認知症の発症につながる可能性があります。

(カリフォルニア大学ロサンゼルス校の精神医学および行動科学科の教授による)

高血圧を予防する生活習慣

高血圧を予防するには、次のような方法があります。

-適度な運動
週に150分以上の中程度のジョギングやウォーキング、水泳などの有酸素運動がお勧めされています。

毎週少なくとも5日は、運動の習慣をつけた方が良いのだそうです。

-ストレスの軽減
瞑想、ヨガ、長い散歩など、リラックスできることを増やすことがお勧めです。

-禁煙する
喫煙を避けることにより、高血圧、心臓病、その他の健康問題のリスクが軽減されるようです。

-塩分摂取量を減らす
ナトリウムの消費量が多いと、高血圧の原因になることはご存じの方も多いかもしれません。

食事の塩分を減らすことで、ナトリウムの摂りすぎを防ぐことができます。

-アルコールを減らす
中等度から過度のアルコール摂取は、血圧を上昇させる可能性があります。

-果物や野菜を多く食べ、脂肪を減らす
不飽和脂肪を優先して飽和脂肪の摂取量を減らすことにより、血圧の上昇を抑える可能性があります。

-心臓に良い食品
・全粒粉、高繊維食品
・さまざまな果物と野菜
・ひよこ豆、豆、レンズ豆などの豆類
・ナッツ
・オメガ3が豊富な魚
・オリーブオイル
・皮のない鶏肉や魚
・低脂肪乳製品
※トランス脂肪、硬化植物油、動物性脂肪、ファーストフードを避けることなども重要です。

まとめ

高血圧を落ち着かせることは心疾患だけでなく、認知症の予防にも役立つ可能性があることがわかりました。

日ごろからの運動や食生活などを工夫することで、高血圧は防げる可能性があります。

認知症の予防の意味でも、もちろん心血管の健康の意味でも、少しずつ毎日の習慣にできればと思います。

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引用文献:
Dementia: Best evidence yet on how lowering blood pressure cuts risk
Dementia: Best evidence yet on how lowering blood pressure cuts risk

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