日本人のがん予防の食べ物や食事と生活習慣におすすめ

2017年06月12日

 

健康的な食事

日本人にとってのがん予防における食べ物や食事と生活習慣についてのおすすめがあります。

他国のがん予防のための食べ物や食事と少し違いがあるのにも理由がありそうです。

 

日本でのがんと他の先進国の状況:

日本では近年がんと診断される人の数は増え続けているのが現状ですが、他の先進国ではその数は軒並み減っていることが報告されています。

つまり日本だけががんと診断される人の数が増えているということになります。

統計上において日本人では現在人口の53%に当たる人が生涯のうちにがんと診断される経験を持っていることになります。

アメリカにおいても1980年代までは似た傾向にあったものの政府がチカラを入れた研究と報告、予防の為の普及活動が実りとなったおかげで90年代から現在迄がんになる人の数は減っている状況にあります。

 

がん予防が成功したアメリカの理由:

がんが増える日本と、減っているアメリカでは何が違っているのでしょうか?

アメリカでは今迄に政府が中心になって病気やがんの予防に向けて研究チームをつくり、長年にわたり研究と報告、一般市民への啓蒙活動をセットにし、それらの行動が上手くいったためにがんになる人の数も減っているといえます。

研究報告の中には日本でもマクガバンレポートが幅広く知られるところですが、その後にもチャイナスタディーという報告も役立ったといえます。

長生きの人が多い中国における食生活や生活環境に学び、どうすれば病気やがんの予防に役立つかを研究したものです。

アメリカの食べ物や食事では、それまではそこそこの野菜や果物は食べたものの、肉が中心の食事だったといえますが、わかりやすい啓蒙活動のおかげで随分と成果が出たといえます。

その啓蒙活動は「5 a day」というキャッチフレーズで、野菜や果物を食べる量を中程度サイズのお皿で一日に5皿(400g以上)食べるというものです。

一日のうちに400g以上の野菜と果物を食べる食事ということは、その分肉類や今迄に多かったパン類と炭水化物が減り、肉類も減るということになり、その結果として、病気やがんの予防につながったというシンプルでわかりやすい啓蒙活動が功を制したといえるのではないでしょうか。

 

アメリカを中心とする病気やがん予防の食べ物や飲み物についての報告例:

・病気やがん予防の30%以上は食べ物と食事。

・毎日野菜や果物で中皿で5皿を食べ、400g以上食べる。

・肉の摂取量は一週間に300g以下がおすすめ。

・タバコはがんの原因の30%程度を占めるために禁煙する。

・適度の運動と日光浴を心がけ、散歩など20分程度は太陽の光を浴びるようにするか、ビタミンDを含む魚を食事に取り入れる。

・30分程度の軽い運動をしている場合でさまざまながんのリスクがそれぞれ数十パーセント低くなると報告。

・平均して毎日10皿の野菜や果物を食事で補って食物繊維を増やす一方で脂肪摂取が少ない人はがんの再発が31%減ったとの報告。

・毎日2杯以上の緑茶で消化器官系がんは7割リスクが減り、泌尿器科系は4割低かった。

・日本の研究では毎日3杯以上の緑茶はがんの再発リスクを43%に抑制すると報告。

・フィンランドの研究ではリンゴで肺がんリスクが58%低減、他のがんでも17%リスクが減ると報告。

 

日本での野菜や果物と食事:

日本では1990年頃まではがんや他の病気もアメリカよりも少なかったものの、その頃を境にアメリカでは病気や野菜が減り始め、日本では逆に増える一方となっています。

日本での統計ではちょうどその頃から野菜も果物も一年の摂取量は減り、現在迄右肩下がりで野菜も果物も食事で食べる量が減り続けています。

日本食の特徴である穀物、豆類、魚介類、海草類、豆類、煮物、果物において減っていることが病気やがんの予防につながっていないことが考えられています。

また本来は未精製穀物だったお米やパン類、麺類も今はそれらの食べ物の多くが精製されるようになっていることも病気や予防のリスクと関連している可能性も指摘されています。

また、日本の食卓では和食に取って代わって肉類やぱんや麺類をはじめとする洋食が増えていることが報告されており、それらの食事が病気やがんにつながっている可能性が報告されています。

そのために世界一長寿国といわれる日本では、命を全うするまでに10年程度は介護が必要な状態にあるために健康寿命や健康における不安は常に残っている状態といえるのではないでしょうか。

 

病気やがんの予防は食べ物や食事だけでもそれらのリスクを少なくとも30%以上は下げることができると考えると、いかに日々の食べ物や食事が大切かがわかります。

 

情報源:

NPO法人イーマ

第135回定例会

健康増進クリニック院長 水上治先生による講演

「がん専門医が語る予防と健康増進」

2017年6月6日

 

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