慢性炎症(サイレントインフラメーション)を抑える生活習慣
慢性炎症は、痛みや発熱のような分かりやすいサインがないまま、体の中でじわじわ続く炎症のことです。
急性の炎症はケガや感染から守る大切な反応ですが、弱い炎症が長く続くと、血管・肝臓・腎臓・脳など全身に負担が積み重なる可能性が指摘されています。
慢性炎症は、海外ではサイレントインフラメーションとも呼ばれ注目されています。
慢性炎症を抑えるための工夫や生活習慣について見ていきましょう。
慢性炎症(サイレントインフラメーション)とは
慢性炎症は、数か月~単位で続く、低度の炎症状態を指します。
何となく疲れやすい、回復が遅い、眠りが浅い、集中力が落ちるといった不調の背景に、炎症が関わっている可能性があります。
原因は一つとは限らず、生活習慣、ストレス、睡眠不足、肥満、歯周病、喫煙、環境要因などが絡み合って起こると考えられています。
慢性炎症と病気とのつながり
慢性炎症は、放置すると病気にも関わってくる可能性があります。
たとえば、近年の研究では、慢性炎症が心血管疾患、糖尿病、脂肪肝、慢性腎臓病、自己免疫疾患、神経変性疾患など、現代の主要な慢性疾患の土台になり得ることが報告されています。
また、がんとの関係も重要です。
慢性的な炎症は、細胞や組織の環境を変え、感染や自己免疫、慢性の炎症性疾患などがリスクに関わるがんの発生や進展に関与する可能性があるという考え方が広く共有されています。
さらに、加齢に伴う慢性の炎症は、インフラメイジングとも呼ばれ、年齢とともに炎症マーカーが上がりやすくなる現象が報告されています。
生活習慣を工夫して炎症を整える?
慢性炎症は、薬だけで一気に消すというより、日々の環境を整ることにより落ち着かせる発想がより現実的です。
たとえば、以下のような生活習慣の見直しがおすすめです。
-食事:血糖の急上昇を減らす
甘い飲料や精製度の高い炭水化物中心だと、血糖の上下が大きくなりやすく、炎症に関わる代謝の負担が増える可能性があります。
主食は量と質を意識し、たんぱく質・食物繊維・良質な脂質などを組み合わせて食後の波を小さくすることを意識しましょう。
-体重と筋肉:内臓脂肪をためにくくする
脂肪組織は単なる貯蔵庫ではなく、炎症性の物質と関わることが示されています。
有酸素運動と、下半身中心の軽い筋トレを続けられる強度で取り入れることがとても大切です。
-睡眠:短さよりリズムを大切に
睡眠不足や不規則な生活は、免疫・代謝の調整に影響します。
まずは起床時刻を固定し、朝日を浴び、夜は強い光を避けるだけでも整いやすくなります。
-口内の炎症:歯周ケア
歯ぐきの炎症が長く続くと、全身の炎症と関連する可能性が示されています。
歯間清掃と定期的なチェックは、地味ですが効果が積み上がります。
予防の考え方とは?
海外の予防医学では、慢性炎症を抑えるために、特別な治療を施すよりも、日々の生活を整えることが重視されています。
具体的には、以下が重視されています。
・抗炎症的な食事(野菜、発酵食品、良質な脂質)
・十分な睡眠と体内時計の安定
・適度な運動
・腸内環境の維持
・ストレスマネジメント
これらは即効性のある対策ではありませんが、長期的に見ると、炎症の起こりにくい体内環境を支える可能性が高まると言えそうです。
まとめ
慢性炎症は、発熱や痛みのようにわかりやすい症状がないため、長いあいだ見過ごされがちです。
しかし海外の研究では、この慢性炎症が、生活習慣病、がん、心血管疾患、認知機能の低下など、さまざまな不調の土台になっている可能性が指摘されています。
大切なのは、特別な治療や極端な健康法ではなく、日々の積み重ねで体の炎症レベルを下げていくという視点です。
食事の内容、睡眠の質、腸内環境、体内時計、そしてストレスとの向き合い方。
症状が出てから対処するのではなく、不調の芽が育ちにくい体をつくることが、これからは特に大切になってきます。
毎日の食事や睡眠、過ごし方が、数年後の健康を支えていくと言った考え方が、これからの時代に求められるセルフケアなのではないでしょうか。
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引用文献:
Chronic inflammation in the etiology of disease across the life span
Chronic inflammation (inflammaging) and its potential contribution to age-associated diseases
Inflammageing: chronic inflammation in ageing, cardiovascular disease, and frailty
Inflammation and Cancer






