卵は何個食べて良いか?卵料理の食事と健康上の影響とコレステロールの視点から

2024年04月17日

卵料理と食品と健康予防

卵料理は近年日本でも人気があり、卵がけご飯をはじめとする卵を使用した食事摂取量は増えている可能性があります。

日本は生卵を食べることができる、数少ない国の1つでも知られています。

今回は卵は結局のところ、私たちの健康にどの程度影響を与え、健康上で食事に何個まで食べて良いのか、おすすめかどうかなどのヒントになればと思います。

卵は心血管疾患のリスクを高めず、安全に摂取できる?:

卵そのものは昔から、栄養価が高い上に、必須アミノ酸やオメガ3脂肪酸、コレステロールなどを豊富に含む総合栄養食品で知られてきました。

特に加熱せずに食べる生卵については、栄養素が崩れていない状態として、多くの栄養素を1つの食品で補える素晴らしい食品として紹介されてきています。

同時に、研究報告の中には、1970年代には卵が心血管疾患(CVD)のリスクを高める可能性から食べ過ぎには注意とも報じられてきました。

しかしながら、近年の報告では、卵料理を食事に取り入れることでの血漿コレステロールについての因果関係に関しての裏付けとなる証拠は報告されていないようです。

卵とコレステロール値の健康と歴史?:

1970年頃の当時は、米国心臓病協会の推奨報告によって、食事によるコレステロールの摂取量を1日あたりで300mg程度以下にすることがおすすめされました。

また同時に、卵の摂取量についても、1週間に3個以下が望ましいとの声明を発表してから、多くの人がその情報を信頼して情報が広まったとされています。

その情報が拡散されたことで、健康な人もそうでない人も、卵の消費量が減る原因になったようです。

食事での卵料理のコレステロールは心臓病や血清脂質に良いか悪いか?:

それでは、本当に卵料理を食事で増やすことは、実際のところは健康上に良いのでしょうか?

それとも、悪いと考えられているのでしょうか?

疫学の研究分野においては、HDLで知られている高密度のリポタンパク質のコレステロールの高い方が、より心臓病
のリスクが低くなることで知られています。

また、LDLで知られる血清低比重リポタンパク質コレステロールが低い方が予防として健康的であることが報告されています。

そのために、卵を食事に取り入れることで、どう健康に影響するかが問われます。

現時点の報告からすると、確かに卵は食事の中でも最も豊富なコレステロール源の1つとしての認識は合っています。

しかしながら、卵の摂取量と心血管疾患のリスクとの間での相関関係についての報告はほとんど無いのが現状ではないでしょうか?

研究報告を探しても、ばらつきが多く、更に細かいデータで、より多くの人に向けた研究がなされる必要がありそうです。

また、卵の中に含まれる栄養素の中には、他に影響を与える可能性がある栄養素も含まれているために、それらの影響の行方についてもハッキリさせる必要もありそうです。

人種でも変わる可能性?卵の摂取と食事コレステロールと血清コレステロール?:

卵に含まれる他の栄養素とコレステロール値との関連性以外に、食べ物や食事から構成されるいわゆる外因性の食事コレステロール摂取とは別に、内因性血清コレステロール値も本来は比較対象になるべきです。

なぜなら、必ずしも卵を含む食事栄養素からなるコレステロールと、体内の血清コレステロールは同じコレステロールという分類でも厳密に言うと異なるものだからです。

両方を取り入れた大規模な調査では、欧米のコホートでは、心血管疾患のリスクとして多少含まれるニュアンスではあるものの、アジアのコホートではそれらのリスクに関連はしていないという結論に至った報告があります。

そのことからも、可能性として卵を中心に考えたコレステロールの場合は、欧米人種よりもアジア人種の方が心血管疾患については、強いと言える可能背もありそうです。

では、そうだとした場合、私たちは食べ物や食事でどれくらいの卵を摂取したら良いと言えるのでしょうか?

食べ物や食事からなる食事性コレステロールの値から:

欧米の報告によると、血清コレステロールの値を高くせずに心血管疾患の予防となる毎日のコレステロール摂取量は、以前からは300mg以下程度に抑えることがおすすめされてきました。

コレステロール摂取で300mgというと、卵の個数に計算すると、1週間に4個程度という内容でした。

ただし、卵にはコレステロール以外にも必須アミノ酸やビタミン類も含む比較的安価ながらも高い栄養素の食品と言えます。

コレステロールでは、確かに血清コレステロール値が多少上昇するとの判断だとしても、栄養素の観点からすると、優れた食品です。

そのために1週間の卵の摂取量を4個以内に限定する必要な無さそうです。

また、最新の安全性の情報では、どのような評価がされているのでしょうか?

卵の摂取量と健康への安全性についての最新情報:

結局のところ、卵は1週間に何個まで食べ物や食事で食べても健康上の安心と言えるのでしょうか?

Medical News Todayに掲載されていた記事によると、仮に卵を1週間の間に12個食べたとしても、コレステロールに悪い影響を与えないという可能性が示唆されたようです。

アメリカの心臓病学会の直近に行われた年次学術集会で発表された研究報告においては、卵を1週間に12個食べた場合と、週に2個以下しか食べない場合と比較した場合でも、コレステロール値に大きな影響を与えない可能性が報告されています。

その調査報告では、50代からの男女と制限された対象ではあるものの、善玉コレステロール値と悪玉コレステロール値の比較では、両方のグループにおいて、同様の変化が見られたとの結果でした。

そのことからも、その調査では、たとえ1週間に12個以上の卵を4ヶ月間食べ続けた場合でも、コレステロールに悪い影響を与えなかったと結論付けています。

鶏の飼育環境法で卵の栄養素は変化する?:

忘れられてはいけない1つの条件として、すべての卵が同じように作られている訳ではないということでしょうか。

例えば、狭いケージの中でストレスが多そうな鳥と、ケージフリーで平飼いされた鳥から生まれる卵の品質は違うことが考えられます。

従来のケージで飼育された鳥と、ある程度動いて運動ができる飼育場生産施設の環境では、卵の脂肪酸、コレステロール、ビタミンA、ビタミンEの栄養素に違いがあるとの報告もあります。

ある調べでは、平飼いされた卵の方がオメガ3脂肪酸が豊富に含まれるとの報告もあります。

また別の報告では、放し飼いの飼育環境では、コレステロールに影響を与えなかったとの報告もあります。

まとめ:

上記のようなことからも、栄養価が高いことで知られる卵の食べ物や食事量を大きく制限する必要は無いと言うことが言える可能性があります。

1週間に12個以上ということは、1日約2個程度は少なくともコレステロールに大きく影響を与えないことも考えらるのかもしれませんね。

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参照した文献;
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28504636/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27918412/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29596318/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35360933/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7777999/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21459288/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21673178/

キーワード: 善玉コレステロール、悪玉コレステロール、卵の食べ過ぎ、HDL、LDL、卵の安全性、食事性コレステロール、卵摂取量、心臓病

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