長時間座り続けるとがんへのリスクや寿命に影響!?

2022年04月28日

長時間座ったまま活動することは、健康に有害であると考えられているようです。

仕事や勉強で座っている時間が長いという方は多いかもしれませんが、一日のうちの座り込み時間は寿命への影響や全死因死亡率に大きな関連があることが報告されています。

座っている時間と死亡率との関係

少し以前の論文になりますが、座っている時間と全死原因死亡率との関係を調査することを目的とした研究がオーストラリアで行われました。

それによると、次のような行動による長時間の座ったままの活動が、全死因死亡率に悪影響を及ぼすことを示唆しています。

-テレビ視聴
-インターネットなどの視聴
-ただ余暇に座っている
-車の運転で座っている
-学校、家事などの活動中に座っている
-長時間座っている職業についている

そして、さらなる研究では、これらの座り込みが2型糖尿病、心血管疾患へのリスクが高いことと関連していることが示されました。

最も長時間座る傾向にある人や身体活動を行わない人々が全死因死亡率が最も高いこともわかりました。

どうして座ったままの活動の死亡率が上がるのか

活発に体を動かす仕事に就いている人は、ほとんどが座っている仕事に就いている人よりも全死因または心血管疾患の死亡リスクが低いことがわかっています。

長時間座っていることにより、代謝機能が破壊され、血漿トリグリセリドレベルの上昇、高密度リポタンパク質コレステロールレベルの低下、およびインスリン感受性の低下などがもたらされていることが報告されています。

これにより、長時間の座り込みは、主に代謝および血管の健康の低下に悪影響を与えると考えられています。

さらに、座りがちな行動は、筋肉グルコーストランスポータータンパク質含有量の変化を通じて、炭水化物の代謝にまで影響を与えることも示唆されています。

このようなことにより、心血管疾患、2型糖尿病、そして、がんを含む慢性疾患にかかるリスクを高めてしまうようです。

体を動かすことの勧め

世界保健機関(WHO)は、心血管疾患、2型糖尿病、および特定の癌を含む慢性疾患のリスクを軽減するために、成人は、週を通して少なくとも150分間の、少なくとも中程度の強度の有酸素身体活動を行うことを推奨しています。

それは、つまり一日に30分の運動ということになります。

ですが、忙しい現代人は毎日の運動時間を確保することが困難かと思われます。

そこで、次のような工夫をしてみることはおすすめと言えそうです。

-早起きをして運動時間を確保する
-毎日ではなく2~3日に一回程度でも運動時間を確保する
-一駅分余分に歩く
-車での移動がメインの人は、徒歩や電車移動に切り替える
-デスクワークが中心の人は、1時間に一度は立ち上がって体を動かす
-わざわざ遠くまで歩いて買い物に行く

まとめ

結論として、長時間の座ったままでの活動は、全死因死亡率の危険因子であることがわかりました。

長時間座ったまま活動するのではなく十分に体を動かすことは、健康な人にはもちろんのこと、心血管疾患、糖尿病、太りすぎ、または肥満の人にとっても有益であり、また健康寿命を延ばすことにもつながることがわかりました。

一年を通して太陽の紫外線は悪いことばかりではなく、身体に良い影響もあります。

昔と比べて外で過ごす時間が短く、それらは様々な健康への影響につながっていることも報告されています。

外で活動することにより、ビタミンDも生成することができる、またストレスも発散されるなど、健康に良いことが沢山あります。

ぜひ外で体を動かして、健康寿命を延ばしていきたいものです。

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引用文献:
Sitting Time and All-Cause Mortality Risk in 222 497 Australian Adults
Association of Daily Sitting Time and Leisure-Time Physical Activity With Survival Among US Cancer Survivors

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