オメガ酸と女性ホルモン

2015年05月07日

女性の健康

 

魚に含まれる油のフィッシュオイルDHAEPAで知られる栄養素ですが、近年の研究報告の公開数は眼を見張るものがあり、日欧米で年々その数は増えていることが発表されています。

 

話題に取り上げられるオメガ酸女性の健康:

数年前にサンフランシスコにて開催された婦人科の学会においてはフィッシュオイルに含まれるオメガ3脂肪酸が女性ホルモンに与える影響の大きさと共に、いかにとりわけ妊娠を予定する女性や妊娠中、授乳中や女性のホルモンとフィッシュオイルのもとになっている魚に含まれる水銀や鉛の環境汚染物質の影響を体内に入れることなくオメガ酸の栄養素を補うかも議論の的となり、大きな反響を呼んだことで知られています。

 

アメリカや日本においても小さな子供に影響を与える環境汚染物質を含むフィッシュオイルやオメガ酸についての問題提議は現在も続いており、サンフランシスコで開催された婦人科の学会の時には改善策の1つとして、鉛や水銀をはじめとする環境汚染物質を除去したDHAやEPAのオメガ酸脂肪酸入りフィッシュオイルのサプリメントの活用についても触れられてました。

 

 

オメガ3脂肪酸と栄養源:

日本でも栄養補助食品としてのサプリメントを摂取する人は増えているものの、とりわけ妊娠を予定している女性や妊娠中や授乳中の女性は慎重になっているでしょうし、またそうあるべきかと思いますので、そういう時にはDHAやEPAのオメガ酸サプリメント以外にもできれば同じようにオメガ3脂肪酸が中心で豊富に含む植物性のオーガニックの亜麻仁油を食事の中にドレッシングなどで利用したり、動物性の魚でもマグロや大きな魚になるほど水銀などの汚染物質を含んでいることから、オメガ3脂肪酸の含有量は多く、汚染物質が少ないといわれる小魚や青魚をいただくように心がけるなどの工夫が、私たちのように小魚や青魚を食べる習慣がある場合には選択肢の1つとして考えられます。

 

 

汚染物質とホルモンと食生活:

アメリカのある種の専門機関で血液検査を行った場合に、私たち日本人からは現地の人たちと比較した場合に水銀の含有量が一般的に1.5倍程度以上含まれていることが指摘されています。

 

そのようなことからも、とりわけ妊娠を予定、妊娠中、授乳中や女性ホルモン治療期間中などにおいては、魚の摂取を控えるように指示する専門家も少なからず存在しますが、必ずしもマイナスのことばかりを考える必要はありませんし、私たちの食文化から魚を外すことは難しいことからも、いただく工夫を考える必要性がありますが、それ以上に魚をいただくことでの恩恵の大きさを認識しておきたいものです。

 

 

オメガ酸と女性ホルモン:

DHAやEPAのオメガ酸と女性ホルモンの関係について調査された報告書があります。

 

2011年に調査されたものですが、女性のホルモンの変化時期でもある閉経時期や月経停止時期の女性に8週間にわたり毎日2グラム(1グラムあたりのEPA含有量が840mgとDHAが375mg)とプラセボ(偽粒)摂取の比較ではオメガ酸を摂取した女性の被験者の方がプラセボグループよりも日中や夜のほてりが大きく改善され、1日のほてりの回数や、うつ症状率やも改善されたことが報告されています。

 

冒頭でもお伝えしましたように、世界的に魚に含まれるDHAやEPAなどのオメガ酸フィッシュオイルやオメガ3脂肪酸についての研究や文献が増えているのは、それだけ人体に与える恩恵と注目度の現れであり、何よりも身体にとって必要不可欠であることからといえます。

 

私たちの脳は60%が油でできていることや、細胞膜も油ですし、近年の加工食品に含まれる人工的な油や食用油に含まれる行き過ぎるオメガ6の摂取量の多さが、健康を脅かし、多くの疾病を招いていることからも、研究報告の多くや専門家の多くはオメガ3脂肪酸の摂取量を増やすことでオメガ酸の崩れたバランスを取り戻そうとするリバランスに取り組むことを推奨しています。

 

今まで日本の経済が発展してきたのは日本人の勤勉さや熱心さ、集中力の高さなど世界からは信頼の高さを寄せられてきました。

 

私たちの身体は食べるものからしかつくられないことを考えると、和食のもつ素晴らしさを再認識せずにはいられませんし、和食の1つとして数えられる魚には私たちの台所をこれからも支えていただきたいものです。

 

Freeman M, Hibbleln J, Silver M, et al. Omega-3 fatty acids for major depressive disorder associated with the menopausal transition: a preliminary open trial. Menopause. 2011;18(3):279

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