L-テアニンとカフェインがADHD改善に?注目される緑茶のチカラ
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、注意力の低下や多動、衝動的な行動が特徴の疾患で、特に子供に多く見られ、世界中で増加しています。
子供だけでなく、大人のADHDも増えてきているとおり、現在では、ADHDはとても一般的な疾患になってきています。
これまでもADHDには、投薬治療が施されてきていますが、ADHDの薬には、副作用や依存性の心配の声が上がることもあるようです。
そんな中、L-テアニンやカフェインといった自然由来の成分が、ADHDに対して良い影響を与える可能性があることがわかってきました。
ADHDとL-テアニン、カフェインの関係についてお伝えします。
Contents
L-テアニンとカフェイン
-L-テアニン
いくつかの研究によると、L-テアニンは、特にカフェインと一緒に摂取することで、ADHDの症状に改善効果がある可能性が示唆されています。
たとえば、2020年の小規模な研究では、ADHDを持つ5人の少年の思考能力に対する L-テアニンの効果が評価されたそうです。
具体的には、研究の参加者の脳スキャンにおいて注意力散漫に関連する領域の変化が現れ、L-テアニンとカフェインの組み合わせにより、認知テストのスコアが向上したそうです
L-テアニンは、緑茶や紅茶に含まれるアミノ酸の一種です。
いくつかの研究では、L-テアニンが一部のADHD症状、特に集中力を改善する可能性があることが示唆されています。
また、L-テアニンの利点の研究結果によると、L-テアニンの摂取により、言語の流暢さと実行機能が向上し、認知能力を向上させる可能性があることが示唆されたそうです。
(ただし、参加者にはADHDはなかったため、これらの利点がADHDを持つ人々にも及ぶかどうかは不明とのことです)
-カフェイン
カフェインは、ご存じの通り紅茶や緑茶、コーヒーなどに含まれる成分で、天然の覚せい剤と呼ばれることもあるほど覚醒にも関連する成分です。
L-テアニンとカフェイン治療に反応したADHDの5人の男子児童を対象とした2019年の研究では、L-テアニン、カフェイン、その2つの組み合わせにより、集中力と思考力が向上したそうです。
さらに、ADHD の一般的な症状である衝動性もし軽減たそうです。
テアニンとカフェインはどちらも天然由来の成分であるため、副作用は非常に少ないと考えられています。
しかし、これらに関する研究はまだ始まったばかりであるため、今後も副作用やその他の最新情報をチェックしていくことが重要と言えそうです。
ADHDにお勧めのその他の栄養素
その他、ADHDと関連する栄養素には以下のようなものがあります。
-メラトニン
メラトニンは、睡眠サイクルを調節するホルモンです。
ADHDは睡眠とも大きな関連があるため、メラトニンサプリメントがADHDの治療に有効である可能性があります。
-ビタミンD
ビタミンDは、健康な脳の発達に重要な役割を果たしています。
ビタミンD欠乏症とADHDなどの神経発達障害との関連は大きいと考えられているようです。
-亜鉛
亜鉛は脳機能に重要な役割を果たす必須ミネラルの一つです。
亜鉛が不足している子供には、ADHDと同様の症状がみられるとの報告もあるようです。
-鉄
鉄は、脳内化学物質であるドーパミンの分泌と大きな関わりがあります。
研究によると、ADHDの人は脳内ドーパミンのレベルが低い傾向にあるようです。
-オメガ3脂肪酸
オメガ3とオメガ6も、脳の健康に重要な役割を果たす必須脂肪酸です。
特にオメガ3は、脳組織を保護することで知られています。
-フランス海岸松樹皮エキス
プロアントシアニジンというポリフェノールが豊富に含まれるフランス海岸松樹皮エキスは、細胞の損傷を減らし、脳のへの血流を改善する効果が期待できるようです。
-イチョウ葉
イチョウ葉に含まれるテルペンラクトンという化学物質は、脳細胞の損傷からの保護やドーパミンの分泌とのかかわりが大きいようです。
まとめ
カフェインとL-テアニンの組み合わせが、ADHDの治療に役立つ可能性があると言われています。
実際、多くのADHDの人たちが、カフェインとL-テアニンを含む緑茶を飲んだ結果、症状が改善したと感じているようです。
L-テアニンはお茶に含まれている成分ですが、サプリメントとしても購入することができます。
ほかの成分と一緒にサプリメントを取り入れることも、効果的な方法かもしれません。
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引用文献:
Can L-theanine help people with ADHD?
PubMed
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2025年4月20日 記事を更新いたしました。