一日にたった4~5分間のVILPA(激しい運動)は心血管疾患のリスクを大幅に減らす可能性がある?
心血管疾患は誰にでも起こる可能性があり、特に年齢を重ねていくと心配な状況です。
過去の研究によると、十分な運動をすると、心不全、脳卒中、心臓発作などの重篤な心血管疾患のリスクを低下させることができることがわかっています。
特に女性にその傾向が強いようです。
運動による心血管疾患のリスク回避について考察します。
運動不足と心血管疾患の関係?
シドニー大学の研究者は、1日を通してわずか1.5~4分間の強度の高い運動を行うだけで、重篤な心血管疾患のリスクを低下させることができることを発見しました。
研究報告では、エレベーターの代わりに階段を使うなど、簡単ではありますが科学的には激しい断続的な身体活動がお勧めされています。
このようにして、1日を通してわずか1.5分から4分程度の短い高強度運動を行うだけで、重篤な心血管疾患のリスクを下げるのに役立つ可能性があることがわかっています。
そしてこれは、特に男性に比べて女性の方がより効果が期待できるようです。
1日3.4分のVILPAで女性のMACEリスクが45%低下!?
VILPA(ヴィルパ)とは、Vigorous Intermittent Lifestyle Physical Activityの略で、日常生活における一定の時間を置いて起こったりやんだりする活発な身体活動のことです。
たとえば、階段の上り下りや、早歩き、拭き掃除など体にある程度の負担のある家事など、日常生活の身体活動においてやや息が上がる程度の身体運動のことです。
研究の結果、1日平均3.4分のVILPAを記録した女性参加者は、1日中にVILPAを記録しなかった女性参加者と比較して、心臓発作のリスクが51%低下し、心不全のリスクが67%低下し、あらゆるタイプの重大心血管疾患を発症する可能性が45%低下したそうです。
一方、男性の参加者を見ると、正式な運動をせずに 1 日あたり平均 5.6 分の VILPA を行った人は、VILPA を行わなかった人よりも、あらゆるタイプの重大な心血管疾患のリスクが 16% 低下したそうです。
明るい調査結果
この研究結果の考察で、このように日常生活に取り入れやすく多少の負担はあるものの少ない運動量で、心血管疾患関連の死亡率が劇的に改善したことは非常に有望との認識になったようです。
この運動と結果は、ほとんどの人が達成できると考えられるためです。
心血管疾患に対して運動が与える役割の判明は、今後の世界中の人々にとって大きな影響を与えるに違いありません。
今後は、予防医学として人々が自分で行える心臓疾患のリスク回避として、ますます運動には注目が集まっていくことでしょう。
毎日のVILPAを増やすには
毎日のVILPAを増やすにはどうすればよいでしょうか?
専門家によると、最も簡単なのは、環境をうまく利用することのようです。
たとえば、自宅や職場に階段がある場合、1日に数回、1~2分間の早歩きで階段を上り下りするだけで、研究で示された効果が得られるようです。
また、重い食料品を運ぶなど、日常生活の中で息が上がるような行動を一日に数回行うことでも、心臓の健康に同様のメリットが得られる可能性があるようです。
特に一日中座っていることの多い人は、スマートウォッチの機能やタイマーを利用するなどして、定期的に短時間のエクササイズを行うことを検討されると良いかもしれません。
鍵となるのは、一日を通して短い間隔で心拍数を上げる機会を見つけることのようです。
このようにして体を動かすことで、心血管疾患のリスクを軽減するだけでなく、全体的な健康状態を改善することにもつながる可能性があります。
運動は、副作用もなくやる気さえ起こせば誰にでも行える予防医療の一つと言っても過言ではありません。
中高年の人口のうち定期的に運動を行っている人の割合はわずか20%ほどのようですので、勇気を出して毎日の運動を開始することも併せてお勧めしたいと思います。
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引用文献:
4 or 5-minute bouts of intense exercise may slash cardiovascular risk