うつ病や不安症は多発性硬化症(MS)の初期の兆候の可能性も?
うつ病は、多発性硬化症の初期の兆候である可能性があることが報告されています。
カナダのブリティッシュコロンビア州の研究では、睡眠障害、慢性的な疲労などのうつ病に関連する症状が、多発性硬化症の兆候となる可能性があると示唆しています。
うつ病と多発性硬化症(MS)の関連について探ります。
多発性硬化症とは
多発性硬化症は、脳、脊髄、視神経などの中枢神経に影響を及ぼす慢性疾患です。
専門家の研究によると、多発性硬化症は何らかの免疫システムの機能不全が原因で引き起こされるそうです。
この病気は、脳の灰白質にあるニューロン体にも損傷を与えます。
また、病気が進行するにつれて、脳の最外層である大脳皮質が縮小してしまいます。
多発性硬化症の症状は様々ですが、その典型的な症状には、視力喪失、複視、衰弱、しびれまたはうずき、平衡感覚の乱れなどがあるようです。
また、さらに他の症状も発生する可能性があります。
多発性硬化症が悪化しても、直接的に死につながることはほとんどないようですが、嚥下障害や胸部感染症、膀胱感染症などの合併症を引き起こす可能性が報告されていることから留意しておきたいところです。
近年の報告によると、多発性硬化症患者の平均寿命は、平均寿命よりも5~10年ほど短いことが一般的なようです。
多発性硬化症は、初期に発見されることが症状を抑えるうえでとても大切と言われています。
多発性硬化症の早期発見が病気の管理役立つ?
ブリティッシュコロンビア大学の神経学の教授によると、これまで長い間、多発性硬化症が実際に始まるのは、視覚障害などの形で最初の症状を経験したときだけであると考えられてたようです。
この教授によると、多発性硬化症の早期精神疾患を見逃してしまうことにより、障害の進行に影響を与え、生活に悪影響を及ぼし、死亡リスクを高める可能性があるため、初期症状をより深く理解する必要があるとのことです。
前駆症状に関する知識を広げることで、病気の早期発見と治療が可能になる可能性があるとの見解を示されています。
新たな研究で、多発性硬化症の症状が現れる何年も前に、うつ病、不安、双極性障害、統合失調症などの精神医学的問題が引き起こされる可能性があるのだそうです。
そのため、これらの症状が確認された場合には、多発性硬化症の前駆症状ではないかとの見方を検討することも、病気の進行との関連があることのように思えます。
早期に炎症を抑える効果が高ければ高いほど、数年後の障害の進行を抑える可能性が高くなるとの見方が広まってきているためでもあるようです。
多発性硬化症の進行を穏やかにする方法?
全米多発性硬化症協会によると、多発性硬化症の進行を穏やかにするような生活習慣として、次のようなことがおすすめされているようです。
-できるだけ身体を動かすこと
-よく食べること
-禁煙すること
-より頻繁に家から出ること
-良く日光浴を浴びること
-睡眠時間を十分に確保すること
-難しいことでもできれば諦めないこと
これらは、確かにうつ病の予防方法と似ているかもしれません。
これらに加えて、健康的な食生活を送ることなども取り入れ、穏やかに毎日を過ごすようにすることで、うつ病などの精神疾患からも、多発性硬化症などの中枢神経に影響を及ぼす疾患からも身を守ってくれるかもしれません。
他の症状や疾患も同じように、何かの魔法の薬が何もなかったように修復してくれるというものはありません。
身体とコツコツと向き合いながら、身体の中からの自らのメッセージに耳を傾けながら、様子を観ながら、少しずつ修正を加えていくことが一番のおすすめといえます。
特に、自己判断でやるよりも、専門家のチカラを借りながら行うことが、その近道となることが多いため、相談をしながら進めることがおすすめです。
関連記事:
多発性硬化症の症状と食べ物や食事のおすすめ
多発性硬化症は乳製品などの食べ物や食事の関係や原因?
多発性硬化症(MS)のセルフチェックの方法と予防のヒント
引用文献: