過敏性腸症候群とFODMAP療法や腸内環境の健康

2022年01月08日

IBSや腸内環境と健康

「過敏性腸症候群」は、腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称です。
腹痛、膨満感、膨張、便秘、下痢などの機能性胃腸症状が慢性的に続き、病院で検査などをしても、特に原因が特定しきれない腸の疾患でも知られています。
トイレの回数が異常に増えたり、便秘で苦しくなったりと、日常生活に支障が出てくることが少なくありません。
さらには、精神的に不安定になったり、うつ病、睡眠障害などの精神的な疾患ともかかわってきやすいことが報告されています。
こうした症状を改善するため、「高FODMAPの食品」を控えて、腸の調子を観察していくのがFODMAP療法です。

過敏性腸症候群になりやすい人

過敏性腸症候群は、以前は大腸の機能の異常によって引き起こされる病気ということで「過敏性大腸症候群」と呼ばれていました。
しかしながら最近では、大腸だけではなく小腸にも関係することからこのように呼ばれているようです。
この病気は、先進国に多いとされ、特に特に芸術家など繊細で神経質な人ほどかかりやすいと言われています。
つまり、この疾患はストレスと大きな関係があるということです。
一時的にストレスを抱えることから発症する場合も多く、うつ病の一種と考えられることもあるそうです。
症状も、下痢や便秘など胃腸の症状だけでなく、めまいや頭痛、動悸、肩凝りなどをともなう自律神経失調症状や睡眠障害、不安、気分の落ち込みによるうつ病、イライラなどといった精神症状が現れることも多いようです。

FODMAP療法とその方法

FODMAP療法とは、過敏性腸症候群の方のための食事療法のことです。
FODMAPは、オーストラリアで過敏性腸症候群の患者さんのために開発され、欧米を中心に徐々に知名度が上がってきています。

FODMAP療法の方法は、まず2週間程度、小腸内で消化・吸収されにくい糖類、発酵性、オリゴ糖、二糖類および単糖類などを含む「高FODMAP食品」を可能な限り控える必要があります。
消化の悪い短鎖炭水化物は、吸収不良、浸透活性、急速発酵などにより、下痢、膨満感、腹痛などの症状を誘発することが示されているためです。

高FODMAPの食品は、フルクトース、ガラクトオリゴ糖、二糖、 単糖、ソルビトール 、マンニトール 、キシリトールおよびマルチトールのような糖アルコールなどを含みます。
ラーメン、パスタなどの小麦製品、新玉ねぎ、リンゴ、アスパラ、ブロッコリー、豆類、チーズ、はちみつなどが、それに当たります。

FODMAP療法では、これらの食品を一定期間制限する必要があります。
そして推奨される食品は、
もやし、インゲン、人参、ピーマン、キュウリ、レタス、トマト、 ズッキーニ、オレンジ、ブドウ、肉、魚、豆腐、ナッツなどとされています。

実験の結果、過敏性腸症候群患者の最大86%は、全体的な胃腸症状の軽減を達成し、より具体的には、膨満感、下痢、腹痛、などの腸の習慣からの変化が見られたそうです。

まとめ

過敏性腸症候群が気になる方は、小腸内で消化・吸収されにくい糖類、発酵性、オリゴ糖、二糖類および単糖類などを含む「高FODMAP食品」を可能な限り控え、代わりに「低FODMAP食品」を積極的に摂取することで症状の緩和が身まれることがわかりました。
さらに、プロバイオティクスであるビフィズス菌ラクティスの摂取により、より効果が実感できるかもしれません。

ただし、低FODMAP食事療法は過敏性腸症候群の成人に対して短期的に消化器症状を改善する方法ですが、腸内微生物叢とメタボロームに対し著しく影響を与えるほうほうであるため、長期的な実施は悪影響を及ぼすことがあります。
一定期間のみ、もしくは医師にご相談の上行うことをおすすめします。

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参考文献

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28846594/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25982757/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24830318/

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E6%95%8F%E6%80%A7%E8%85%B8%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

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