がんの治療にも使用されるキノコ、スエヒロタケ

2020年10月12日

ご存じのとおり、秋の味覚でもあるキノコには様々な栄養があります。

霊芝(レイシ)、椎茸、マイタケ、エノキダケなどどのキノコにも大変な栄養価が含まれていることは言うまでもありません。

今回はβグルカン(ベータグルカン)が豊富なキノコの中でも特にスエヒロタケに特化した特徴を調べてみました。

・スエヒロタケは

スエヒロタケ(Schizophyllum commune)は、スエヒロタケ科スエヒロタケ属の菌類です。

キノコの中では世界的に最も一般的で、南極大陸を除く世界中に生息します。

スエヒロタケは、胞子を作り出し分裂することから、英語圏ではSplit Gillという名前で呼ばれています。

・スエヒロタケの有効成分

スエヒロタケは、キシラナーゼやエンドグルカナーゼなどの無数の加水分解酵素を分泌する優れた能力を備えています。

このような酵素の成分は、私たちの免疫力を高める手助けとなります。

また、スエヒロタケが生み出す成分には「シゾフィラン」というものがあり、これはガンに対抗できる強力な薬の一種にもなっています。

シゾフィランは、特に乳がんや子宮頸がんにおける放射線治療の効果を上げる目的で、医療用に使用されることが多いようです。

がんの治療に用いられることからもわかるように、スエヒロタケの菌は人体に強力に作用することが分かっています。

ただしスエヒロタケは日本ではあまり食用には利用されていないので、有効成分の摂取にはサプリメントなどが便利です。

・スエヒロタケと感染症

一方で、スエヒロタケの胞子は、ごくまれにヒトやイヌなどの肺に寄生することがあるようです。

これにより、「スエヒロタケ感染症」を引き起こす場合があることが報告されています。

この感染症は、咳や痰などが長引くアレルギー性気管支肺のような症状を引き起こすことが分かっています。

スエヒロタケ感染症は、料理や医療現場により感染するものではなく、スエヒロタケが生息する場所で、その胞子を吸い込むことにより感染の可能性があります。

免疫力がかなり低下している状態での感染が報告されているようなので、極端に恐れる必要はないかもしれませんが、注意が必要な側面です。

スエヒロタケ感染症に限らず、肺を細菌から守るためには、日ごろから肺を鍛えたり、守ったりする行動が必要です。

例えば、乾燥を避ける、タバコや空気の悪い場所を避ける、有酸素運動を取り入れることなどを意識してみてはいかがでしょうか。

また、スエヒロタケに限らず、キノコには非常に多くの有効成分が豊富に含まれます。

ぜひ、秋の食卓に豊富に取り入れられることをおすすめします。

 

情報源:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16143299/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29785766/
https://bit.ly/3hjrkLl
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/medemiru/me01.html

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