糖尿病や体重の悩みに週2日だけ控えめな食事を
健康のために体重を落としたい、血糖値をうまくコントロールしたいとは多くの方が抱える悩みの一つです。
そんな中、「週にたった2日だけ食事の量を抑える」というシンプルな方法が、2型糖尿病の改善や体重減少に効果的だという研究が発表され、注目を集めています。
無理せず健康を目指したいすべての人にとって、続けやすく実践しやすい食事法をご紹介します。
新たな可能性を示した中国の研究
この研究を行ったのは、中国の鄭州大学付属第一病院の研究チームです。
肥満を伴う2型糖尿病のある成人、およそ90人を対象に行われました。
平均年齢は36歳で、BMIは平均31.7、HbA1cは約7.4％という数値でした。
研究では、参加者を次の3つのグループに分けて、それぞれ異なる食事制限を16週間続けてもらいました。
-5:2ダイエット：週に2日だけ、女性は1日500kcal、男性は600kcalに抑える。それ以外の5日は普通の食事。
-時間制限食：毎日10時間の間だけ食べて、残り14時間は断食。
-連続的カロリー制限：毎日、決められたカロリー量を守る。
この結果、3つのグループすべてで体重と血糖値の改善が見られましたが、特に優れていたのが「週2日の制限」を行った5:2ダイエットのグループだったそうです。
どんな効果があったか
5:2ダイエットグループでは、次のような改善が確認されました。
-平均約7.5kgの体重減少
-HbA1c（過去2～3か月の血糖の平均値）が1％以上改善
-空腹時血糖、中性脂肪、インスリン感受性の向上
また、特徴的なのが、「この方法なら続けられる」と感じた参加者が多かったことのようです。
毎日厳しい制限を課すわけではなく、週に2日だけ意識して食事を抑えるだけなので、生活スタイルを大きく変える必要がなく、精神的にも続けやすいという声が多く集まりました。
なぜ週2日だけでいいの？
この食事法のポイントは、短期間でしっかりと制限する、という部分にあります。
体は、一定の時間にエネルギーを制限されると、代謝やホルモンバランスに変化が起きやすくなるようです。
そして、結果としてインスリン感受性の向上や脂肪の燃焼が促されると考えられています。
また、「週に2日だけ」という手軽さが、日々の生活に大きな負担を与えないのも魅力の一つです。
たとえば、仕事の少ない日や外食の予定がない日を“低カロリーデー”に設定することで、無理なく続けることができるのではないでしょうか。
5:2ダイエット実施の上での注意
5:2ダイエットのような“断続的な食事制限”は、世界中の研究でも効果が示されています。
アメリカのイリノイ大学の研究では、食事の時間を1日8～10時間以内に制限するだけで、カロリー摂取量が自然に減り、体重と血糖コントロールの両方が改善される傾向が報告されています。
また、週2～4日だけ非常に低カロリーな食事を行った別の研究では、約3割の糖尿病患者が薬を使わずに血糖値を安定させる“寛解”の状態に入ったという報告もあります。
注意点としては、誰にでも安全な方法ではないということです。
どんな食事法にも言えることですが、すべての人にとって適しているわけではありません。
特に糖尿病の薬を服用している人やインスリンを使っている人は、急激なカロリー制限により低血糖を引き起こす可能性があるため、必ず医師の指導を受けながら行う必要があります。
また、栄養の偏りや体調不良を避けるため、カロリーを抑える日は栄養バランスの取れた食事を意識することが大切です。
単品だけをとるダイエットをするのではなく、サプリメントやたんぱく質補助食品などを活用することも視野に入れながら、バランスの良い食事を心がけましょう。
5:2ダイエットは、その柔軟さと手軽さが魅力です。
特別な器具も不要で、買い物や食事の工夫次第で誰でも今日から始めることができます。
体重が気になる方、血糖値に課題がある方だけでなく、すべての人にとって、選択肢の一つとなる可能性があります。
「今日はしっかり食べて、明日はちょっと控えめに」というように、長く続けられるやり方を選ぶことが、健康への一番の近道になるかもしれません。
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