自閉症の子供と脳の関係

2015年04月08日

子供と親

 

アメリカでは増え続けている自閉症の子供の数に伴い、研究や調査についての需要と供給の数も増え続けているようです。

2013年のアメリカ政府機関からの発表だったと記憶していますが、67人の子供に1人の割合で自閉症スペクトラムと診断されており、直近数年だけでも自閉症と診断される子供の数は大きく増えていると報じていました。

また地域差もあり、例えばボストンでは確か約50人に1人くらいの子供の割合で自閉症となってきているようです。

 

自閉症と

モントリオール大学のミッシェルドーソン博士の報告によると、自閉症の脳を持つ人の多くがいわゆるインテリジェントの部類に入ることが多く、それは自閉症の子供の場合、一般的な神経脳と比較した場合よりもより詳細で個々に構成されていることが多いことや、ものごとを分別する状況下においての思考と視覚が似ている点があることが多く、その詳細な構成がいくつかの分野において繊細に発達することで特別なことを成し遂げたり、興味を深めることをきっかけで大きくブレークスルーすることがよくあるようです。

 

言語については話すということと、社会において交わりでは3分の1の自閉症と診断される子供が比較的低ファンクションであることが多いのだそうですが、逆に話すこと以外においてはとても高いスコアを持ち、一般的な神経脳と自閉症の子供の脳について行われた調査では被験者38人中の7人の自閉症の子供において90%以上のスコアで、5%の子供が逆に低かったことに対して、一般的神経脳の子供は2つの調査も平均していたと報じています。

また自閉症の脳を持つ子供は時に強みを見つけることが困難である場合があるものの、いったん発見すると生活が変わるほどの強みをそなえていることも特徴の1つとのことです。

 

脳と栄養素

私たちの脳は油がその7割を占めていることで知られるほど、脳には油が多いことがわかっていますが、その油のバランスが昔と比べて現代は大きく異なっていることが報告されています。

食事の変化によることの影響を受けていることが大きな点といえるようですが、昔は脳内のオメガ3脂肪酸が1に対して、オメガ6脂肪酸も1から4程度に納まっていたものが、近年ではオメガ6脂肪酸の摂取が大幅に増えていることからオメガ3脂肪酸を1とした場合にオメガ6脂肪酸が大きい人では30を超える場合もあるほどバランスがちがってきていることも自閉症に限らず多くのことに影響しているといわれます。

 

オメガ3脂肪酸は一般的に魚のDHAEPAのようなフィッシュオイルと呼ばれる油に多く含まれ、植物性では亜麻仁油にも含まれています。オメガ3脂肪酸でも広く知られるDHAは母乳にも含まれることでも知られており、子供の自閉症脳に関しては母乳で育つ子供と母乳以外の子供の場合の比較調査も行われており、成長期の子供の栄養や健康は後の健康にも影響を与えることがわかっていることからも、別の機会に紹介したいと考えています。

 

オメガ6脂肪酸はキャノーラ、コーン、大豆油などに多く含まれ、一般的な家庭や外食で使用される油ではオメガ6脂肪酸の摂取が多くなりがちといえます。

オメガ3脂肪酸は気温や湿度の影響を受けやすいと共に、酸化もしやすいことから管理が難しい油で知られています。

例えばDHAやEPAなどで代表される魚に含まれるフィッシュオイルのサプリメントや植物性の亜麻仁油などを口に含んだり、噛んだりした時に苦みがある場合は酸化していると言えますので有効ではないために鮮度も大切といえます。

脳や自閉症の子供にとって油以外にも総合的なビタミンやミネラルを含む栄養素は大切であることは変わりありませんが、ビタミンB12の栄養が不足しがちである場合もあるようです。

脳や油、総合的な栄養素を考えると、加工食品が多い洋食よりも和食がお勧めと言えるのではないでしょうか。

 

参照文献:

Mottron L. The Power of Autism. Nature, Nov. 3, 2011;479:33-35

http://montessori4autism.org/wp-content/uploads/2012/06/nature-article-on-autism.pdf.

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