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有害化学物質と2型糖尿病の意外な関係とは?

2025年09月01日

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私たちの身近な健康問題のひとつに「糖尿病」があります。

世界中で成人の約9人に1人が糖尿病を抱えており、その多くが2型糖尿病です。

それは、日本国内でも例外ではなく、多数の方が糖尿病予備軍あるいは、既に患っていることが報告されています。

体重の増加や遺伝、食生活、運動不足が主な原因と考えられてきましたが、近年では環境に存在する化学物質も糖尿病リスクを高める可能性があるとして注目されています。

特に、PFAS(ペルフルオロアルキル物質)と呼ばれる、環境に長く残る化学物質が関係しているという最新の研究結果が報告されました。

どんな研究?

ニューヨークのマウントサイナイ病院の研究チームは、約7万人分の健康データと血液サンプルが保存されているBioMeデータベースを活用し、日常生活で比較的健康な成人の中から、最近2型糖尿病と診断された180人と、年齢・性別・人種が似ている180人の対照グループを選びました。両グループの血液からPFAS濃度を調べ、糖尿病の発症との関係を分析しました。

その結果、PFASの濃度が高い人ほど、将来的に2型糖尿病を発症するリスクが約31%高まっていることがわかりました。

PFASとは?

PFASはテフロン加工の調理器具、防水性のある衣類、汚れ防止加工のカバンや靴、食品包装、消火用泡などに使われている化学物質です。

上記に挙げられた物質に共通している大きな特徴としては、自然界でなかなか分解されず、人体内にも何年も残ることです。

そのことからも「環境に長く残る化学物質」と呼ばれています。

これらの物質にさらされると、脂肪の代謝やインスリンの分泌に影響を与え、血糖のコントロールを難しくする可能性が指摘されています。

他の研究との比較

スウェーデンの研究では、PFASの一種であるPFOSやPFOAの濃度が高い人は、2型糖尿病になる確率が1.5倍に増加していることが示されました。

一方、中国・武漢の高齢者を対象にした調査では、ある種類のPFASが糖代謝障害のリスクをむしろ下げる傾向もありましたが、統計的に有意とは言えず、「PFASと糖尿病の関係は複雑である」とされています。

また、22の研究をまとめたメタ解析によると、PFASへの暴露が2型糖尿病リスクを高める可能性が中程度あるとされています。

ただし、特にPFOAについては、低すぎても高すぎてもリスクが上がるという非線形の関係が示されており、注意が必要です。

今回の研究は観察研究のため、PFASが直接糖尿病の原因であるとは断定できません。

しかし、代謝バランスに影響を与える可能性があることを示す重要な初期証拠といえます。

PFAS濃度が高い人は、食生活や運動習慣など他の要因も異なることが多いため、複数の要素を考慮しつつ、慎重に解釈する必要があります。

私たちにできること

使う製品を見直す
テフロン加工の調理器具や防水スプレー、耐久性のある防汚素材を使った衣類やバッグの使用を控えることを検討しましょう。

飲料水の安全を確認する
地域の水源や水道水のPFAS汚染状況を調べ、安全な水を選ぶ工夫が大切です。

政府や自治体の動きを注視する
PFASの削減や規制に関する政策の進展に関心を持ち、住民としての声を届けることも重要です。

健康診断を充実させる
血液検査だけでなく、環境要因も視野に入れた健康管理を心がけましょう。

まとめ

この研究は、私たちの身の回りに潜む環境化学物質が、知らず知らずのうちに2型糖尿病のリスクに影響を及ぼす可能性を示しています。

食事や運動、遺伝だけでなく、「見えにくい化学物質の影響」にも目を向けることが、これからの健康維持にとって大切です。

PFASは世界的に規制が進められていますが、私たち一人ひとりが正しい情報を理解し、生活の中でできる対策を選ぶことが、公衆衛生の向上につながるといえるのではないでしょうか。

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引用文献:
Physical Activity Habits and Determinants, Sedentary Behaviour and Lifestyle in University Students

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