若年性認知症の発症リスクの13の要因

2024年02月28日

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認知症は通常、65歳以上の人に発症します。

65歳未満に発症する認知症は、いわゆる若年発症型認知症と呼ばれていますが、その発症はまれです。

新しい研究では、若年性認知症のリスク上昇に関連する要因が特定されたようです。

若年性認知症のリスクを減らすために何ができるかを探ります。

若年性認知症は?

認知症は、脳内で作られるたんぱく質の一種であるアミロイドが脳内に蓄積しプラークが発生することによって始まると考えられています。

アミロイドは、健康な人の場合すぐに分解され排出されるようですが、これが蓄積することにより、認知症やアルツハイマー病につながると考えられているようです。

若年発症型認知症とは、認知症と診断される年齢を指し、65歳より前に症状や診断がついた場合にそのように呼ばれています。

似たような呼び名で早期認知症がありますが、早期認知症と若年性認知症は同じではありません。

専門家によると、早期認知症は認知症の第一段階と考えられています。

早期認知症や軽度認知症は、初期の認知症の一種です。

認知症の原因として考えられている8つの要因

認知症の正確な原因ははっきりしていません。

しかし、これまでの研究結果により、認知症の原因として次のような要因が考えられているようです。

1.遺伝子
認知症には、遺伝的危険因子と考えられている遺伝子があるようです。

この遺伝子により、脳からアミロイドを効率的に除去しないことによってアミロイドが蓄積してプラークが発生し、認知症が引き起こされると考えられています。

2.アルコール使用障害
アルコール使用障害では、前頭葉を含む脳のいくつかの部分が損傷し、実行機能や作業記憶に問題が生じることがわかっているそうです。

アルコール使用障害は、新しい記憶の形成に重要な脳の海馬につながる小さな領域にも害を及ぼすと言われているようです。

3.社会的な孤立
社会的に孤立していることは、認知症の大きな危険因子です。

社会的接触が少ない人は、社会的交流が少なく、健康を維持するために脳を十分に使っていないと考えられています。

4.ビタミンD
ビタミンDが十分に摂取されていないと、ウイルス感染が増える可能性があることが報告されています。

多くの研究は、特定のウイルス感染が認知症のリスクを高めることを示唆しています。

5.難聴
耳がよく聞こえないと、認知症のリスクが高まることがわかっています。

これは、脳への刺激が減り、社会的相互作用が減ることが原因と考えられます。

補聴器を使用すると、認知症のリスクが軽減されるとも言われています。

6.脳卒中
脳卒中は脳に直接損傷を与え、血管性認知症につながる可能性があるため、以前に脳卒中を起こしたことは危険因子になると考えられています。

7.心臓病
心臓病もまた脳卒中の主な危険因子であり、血管性認知症につながる可能性があるようです。

8.糖尿病
特に男性の場合、糖尿病を患っていると、さまざまな方法で認知症につながる可能性があるようです。

これは、中年男性は中年女性よりも糖尿病関連の脳卒中を起こす可能性が高く、これが血管性認知症につながる可能性があるためだと考えられています。

認知予備力を低下させると考えられている2つの要因8

認知予備力とは、脳が年齢とともに変化しても、思考し、即興で行動し、問題を解決する能力のことです。

次の2つの危険因子により、認知症の症状が若年で現れる可能性が高くなると考えられているようです。

1.正式な教育を受けていない
正式な教育を受けていないと、認知症の診断に使用される鉛筆や紙、認知テストの項目などに抵抗を感じ、結果に影響を与える可能性があります。

2.社会経済的地位が低い
社会的地位が低いことは、教育の質が低いことと関連している可能性があるようです。

そのほかの3つの危険因子

認知症のそのほかの危険因子には次のようなものも考えられているようです。

1.握力の低下
握力の低下は、認知症と関連していることがよくあります。

2.アルコールを飲まなくなる
元々飲んでいた人がアルコールを飲まなくなることは、記憶喪失を発症すると飲酒をやめる可能性があるため、危険因子と考えられます。

3うつ病
うつ病は、思い出せないときや認知症が心配なときに悲しくなる人が多いため、危険因子です。

これらの症状が見られたら、すでに認知症が始まっている場合もあるかもしれません。

そのため、周囲の人は注意深く観察するようにした方が良いかもしれません。

若年性認知症の発症リスクを減らす

以下の5つに留意して生活することで、65歳までに認知症を発症するリスクを減らすことができます。

1.アルコールを過剰に飲まない

2.定期的に他の人と交流する

3.十分な日光浴でビタミンDを摂取する

4.よく聞こえることを確認し、聞こえない場合は補聴器を使用する

5.十分な睡眠をとる

6.定期的に運動し、健康的な食事をし、健康的な体重を維持し、心臓病、糖尿病のリスクを減らす

まだ65歳以前で健康なうちに、これらを心がけて認知症のリスクから少しでも遠ざかりましょう。

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引用文献:

A fresh look at risks for developing young-onset dementia

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