乳糖不耐症やアレルギー反応が気になる人に牛乳の代替品となる植物ベースのミルクとは?

2022年09月05日

乳糖不耐性アレルギー反応

乳糖は、牛乳にしか含まれていない糖分です。

乳糖不耐症を持っている人の消化器系は、ラクターゼとして知られている酵素の産生量が少なく、乳糖を分解する力が弱いようです。

牛乳の代替品は、乳糖不耐性やアレルギーを持つ人々や、ビーガンなどの乳製品を含まない食事を好む人々のためにますます人気が高まっています。

乳糖不耐症などの方でも安心して飲める植物ベースのミルクについてお伝えしたいと思います。

乳糖不耐症の症状は

乳糖不耐症の人は、乳糖を含む牛乳や乳製品を食べたり飲んだりした後に症状が起こります。

一言で乳糖不耐症と言っても、その症状の程度は様々です。

その人が産生できるラクターゼの量にもより、消費した乳製品の量にもよるためです。

一般的な症状には、以下のものがあります。

-膨満感
-腹痛
-鼓腸
-吐き気
-下痢
-げっぷ

乳糖の摂取から大体30~2時間以内に、腹痛や下痢が起こる場合も多いようです。

乳糖不耐症と、牛乳のたんぱく質であるカゼインやラクターゼなどのアレルギー反応との差もあります。

牛乳アレルギーは、体は乳糖ではなく乳タンパク質に反応することによって引き起こされます。

牛乳アレルギーは、アナフィラキシーショックなどのより重篤な症状を引き起こす可能性があるため、より一層の注意が必要と言えそうです。

牛乳の代替品となる植物ベースのミルク

乳糖不耐症や、牛乳アレルギーを持つ方はもちろん、ビーガンの方をはじめ一般的にも、牛乳を飲む代わりに植物性のミルクを選択する人が増えてきています。

植物性のミルクには、例えば次のようなものがあります。

-豆乳

牛乳の代替品として一番に思い浮かぶのは、豆乳ではないでしょうか。

豆乳を生産する過程でに、牛乳の製造過程と同じように、カルシウム、ビタミンAおよびDなどを強化する場合があるようです。

また、牛乳と同等の量のタンパク質が含まれており、栄養の点では牛乳と最も近い代替品となっているようです。

さらに、豆乳には、天然の抗酸化物質であるイソフラボンが含まれています。

イソフラボンの摂取は、女性特有の疾患や心臓病のリスク低下とも関連している可能性があります。

-アーモンドミルク

アーモンドと水からなるアーモンドミルクもまた、近年人気の植物性のミルクです。

タンパク質含有量は牛乳や豆乳よりも少ないですが、代わりにアーモンドは、ビタミンEを多く含んでいます。

-ココナッツミルク

ココナッツミルクは、牛乳に最も近い食感を持つミルクの一つです。

脂肪が比較的多いことが難点ではありますが、牛乳も大豆もアーモンドも使用していないため、ココナッツミルクは複数の食物アレルギーを持つ人々のための良い代替品と言えそうです。

牛乳の栄養素

研究化学者であるベン・レダン博士は、植物ベースの牛乳代替品の栄養面での違いを考慮することが重要であると説明しました。

「植物ベースの代替乳製品の人気が高まっているため、消費者は植物ベースの代替乳製品の消費が必須ミネラル微量栄養素の全体的な摂取にどのように影響するかを理解することが重要です。

これらの製品で測定したミネラル微量栄養素は、正常な免疫系機能、血圧(およびグルコース)の適切な調節、骨の健康など、体内の多くの機能に役割を果たすことが知られています。」

– ベン・レダン、博士号、アメリカ食品医薬品局の研究化学者、研究の主任研究者

牛乳には、タンパク質、ビタミンD、ビタミンA、カルシウム、その他の必須栄養素も含まれます。

多くの専門家が、乳製品を含む食事は心血管疾患、2型糖尿病、高血圧のリスクを低下させることと関連付けています。

また、牛乳は骨の健康をサポートします。

しかし一方では、牛乳中のホルモンや抗生物質について懸念されていたり、実際に乳糖不耐症や、牛乳アレルギーによって牛乳の摂取が難しい人もいます。

そのため、牛乳を摂取しない場合にこれらの栄養素を他で摂取できるよう、留意することも併せておすすめしたいと思います。

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引用文献:
Plant-based milk alternatives: Which one meets your dietary needs better?
Lactose intolerance: What you need to know
What substitutes are there for dairy milk?

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