不登校とも関連する起立性調節不全は自律神経の乱れ?

2023年04月27日

子供の健康と予防

起立性調節不全は海外では起立性血圧調節不全とも称され、日本では特に若い世代に多く見られるようです。

その特徴は、午前中にめまいなど体調不良を訴え起きられなくなる、学生であれば学校に行くことができなくなるなど深刻です。

起立性調節不全は単なる怠けと混同されがちで、治療法も難しいと思われがちですが、実は自律神経の乱れから発症しているケースが多いようです。

自律神経と起立性調節不全との関連、またその対処法について探ります。

起立性調節不全とは

起立性調節不全は、自律神経系である交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることが原因で様々な症状を引き起こしてしまう疾患です。

小学校の高学年から高校生にかけての思春期に多く、症状例としては、めまい、頭痛、吐き気など多岐にわたり、程度も人それぞれのようです。

日本では、学校に通っていない生徒のうち、約30~40%が起立性調節不全(OD)を持っていると報告されています。

起立性調節不全は、体内の血液の流れが大きく変動するときに症状を感じやすいとされ、起床時にベッドから起き上がれないなどの症状が特徴です。

通常は、起き上がる際に私たちの体は自動的に交感神経を活性化し、心臓、脳への血流を保っています。

起立性調節障害の人は、この交感神経の自動的な活動が難しくなっている状態で起こりやすく、起床時や立ち上がる際に多様な症状が出てしまうようです。

起立性調節不全の一般的な症状は以下の通りです。

-朝起き上がれなくなる
-寝つきが悪い
-めまい
-学校に登校できなくなる
-イライラする
-自己肯定感の低下
-授業に集中できない
-午前中の体調不良

病院に行っても異常が認められない場合も多く、怠けと混同されがちで悩まれるご家庭も多いようです。

起立性調節不全と自律神経

起立性調節不全のはっきりした原因は特定できていないようですが、ホルモンバランスの変化やストレスのほかにも、自律神経との関連が強い可能性があることが報告されています。

特に睡眠時間が少ないことによる自律神経の乱れとの関連があるようです。

実際に、不登校となっている生徒のうちの約30~40%が起立性調節不全を患っているとされ、また、概日リズム睡眠障害の患者のうち、起立性調節不全の有病率は57.9%であるとの報告もあります。

概日リズムとは、体が自然に、夜と昼間の睡眠と覚醒のサイクルを環境に合わせることで、 これにより、人は日中は起きていて、夜は眠ることができます。

睡眠時間を確保し、概日リズムを整えることが起立性調節不全の改善の近道となる可能性がありそうです。

概日リズムを整えるためには、以下のような方法がおすすめされます。

-朝は太陽の光を浴びる
-決まった時間に食事をとるようにする
-就寝時間を決め、それを守る
-昼寝を避ける
-夜にテレビやPC、スマートフォンなどを見ることを控える
-定期的な運動をする
-カフェイン、アルコール、ニコチンなどを制限する
-静かな部屋で寝る

また、メラトニンのサプリメントが、人の睡眠覚醒サイクルを環境に合わせて調整するのに役立つかもしれません。

まとめ

睡眠時間が十分に確保されていなかったり、睡眠サイクルに乱れがある場合に、自律神経が乱れることがあります。

自律神経が乱れると、めまい、頭痛、吐き気など、さまざまな症状につながる可能性があります。

これらにより、起立性調節不全につながり不登校の一因となってしまう可能性が考えられます。

睡眠時間を確保して概日リズムを整えることで、起立性調節不全の改善につながるかもしれません。

生活習慣の改善が必要なため、すぐに解決することは難しいかもしれませんが、まずは睡眠時間を確保し続けることが大切です。

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引用文献:
概日リズム障害患者における起立性調節不全の高い有病率
学校に通っていない生徒の目覚め困難に対する併用療法の有効性
一般社団法人 起立性調節障害改善協会
What is a circadian rhythm sleep disorder?

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