亜鉛は免疫や妊娠だけでなくうつ対策にも必要な大切な栄養素

2022年02月14日

亜鉛などミネラル類の栄養素

冬の味覚である魚介類などの食べ物にも多く含まれる亜鉛は、微量栄養素の中でもとても大切な栄養素です。

亜鉛の栄養素は免疫力の向上を求める場合や妊娠中の女性などに特に必要とされる栄養素です。
亜鉛は細胞の一つ一つにとって必要な栄養素となるため、不足することで体にいろいろな弊害が生じる原因となる可能性が報告されています。

亜鉛欠乏症

亜鉛は、100種類以上の酵素の反応やタンパク質の立体構造を促進し、遺伝子発現を調節するのに役立つ、私たち人間の代謝に不可欠な微量栄養素です。

栄養不足により亜鉛が欠乏すると、亜鉛欠乏症となる可能性があります。
亜鉛欠乏症の症状は、成長遅滞、下痢、脱毛症、舌炎、免疫力の低下、男性の性腺機能低下など、多岐にわたります。
また、上気道感染症や下痢の予防、栄養失調児の下痢の補助治療として有効である可能性があるため、発展途上国でも亜鉛の補給が重要視されています。

亜鉛はいろいろな食材に含まれていますが、アルコール依存症、炎症性腸疾患、吸収不良症候群の患者は、特に亜鉛欠乏症のリスクが高いとされているため注意が必要です。

また、その一方で、亜鉛は摂りすぎると逆に良くない場合があり、長期にわたり高用量の亜鉛を使用することにより、免疫の抑制、貧血、銅欠乏症、などの副作用の可能性があります。

亜鉛とうつ病の関係

亜鉛などの微量栄養素欠乏症とうつ病は、一見関連がなさそうにも見えますが実は大変大いに関連があることがわかっています。
特に、亜鉛欠乏症とうつ病のリスクと亜鉛補充によるうつ病症状の好転の関連は、専門家の間でも大いに支持されています。

亜鉛を含むマグネシウムと抗うつ薬の特性は、動物のスクリーンテストや臨床研究で実証されています。

マグネシウムに関しては、臨床研究は、うつ病の治療におけるその補足的有効性に関する明確な結果を示しています。
一般的に、低マグネシウム血症のうつ病患者は、マグネシウムの補充に非常によく反応したのに対し、他の患者の応答は弱かったという結果が出ています。
亜鉛に関しても、多くの研究により、うつ病における亜鉛補充の有効性が実証されています。

利用可能なすべてのデータは、うつ病の治療におけるマグネシウムと亜鉛の重要性を示しています。

うつ病に対する薬物療法は、必ずしも効果が得られるとは限らない報告があるようです。
また、投薬も原因の一部とされる様々な副作用への対処法も検討する必要があります。

最近の研究により、亜鉛の補充は、うつ病への治療抵抗性患者においても抗うつ薬の有効性を示すことがわかっています。
これは、とても大切なことと思われます。
うつ病の患者が、必ずしも積極的に治療を開始しようとしない例も多いからです。

このような視点からも、現在では微量栄養素の補給とうつ病の関連を前向きに調査するだけでなく、うつ病の補助治療としての、亜鉛などの微量栄養素補充の安全性と有効性に関しても研究が重ねられています。

まとめ

亜鉛は微量栄養素ながら、私たちの健康に欠かせない栄養素です。

免疫力やの向上や妊娠中だけでなく、うつ病や、うつ病と関連の深いアルツハイマーの患者にとっても必要とされます。
また、女性だけでなく男性や、成長期のお子様にとっても欠かせない栄養素の一つとなっています。

亜鉛が多く含まれる食べ物は、牡蠣やサバやイワシ、ホタテなどの魚介類、牛肉や豚レバーなどの肉類です。
また、卵、チーズ、納豆などにも含まれます。

亜鉛は摂りすぎると逆に良くない場合があり、上限は30mg程度とも言われます。
自然に体調を整えることにつながるため、出来る限り食卓で摂取することがおすすめです。

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引用文献:
亜鉛:必須の微量栄養素
亜鉛、マグネシウム、セレン、うつ病:エビデンス、潜在的メカニズムおよび影響の検討
うつ病におけるマグネシウムと亜鉛の役割:類似点と相違点

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