心血管疾患リスクと野菜や果物との関係

2022年01月14日

ビタミン栄養素食品と食事

心血管疾患は、世界中で罹患率と死亡率の主要な原因の一つとなっており、誰もが恐れています。
そんな中、健康的な食事は、心血管疾患の大きな予防法の一つであると言われています。
特に、果物や野菜の摂取と心血管疾患には重要な関わり合いがあります。
果物や野菜の摂取が心血管疾患に対する保護効果を持つということは、いくつもの研究から明らかになっています。
その保護効果は、抗酸化、抗炎症だけでなく多岐にわたるようです。
心血管疾患の予防に効果的な野菜の摂取について調べてみました。

野菜の摂取と健康

さまざまな研究により、普段からより多くの果物や野菜を消費する人は、高血圧、肥満、または2型糖尿病を含む心血管疾患の重要な危険因子を持っている可能性が低いことが示されています。
特に最近の研究では、果物と野菜の摂取量と冠状動脈性心疾患や脳卒中などの発症との間に直接的な関連があることがわかっています。
しかし、果物や野菜が効果を発揮する生物学的メカニズムは完全には明らかではなく、その原因や効果は複数である可能性が高いようです。
繊維、カリウム、葉酸を含む果物や野菜の多くの栄養素や植物化学物質は、心血管疾患の減少にそれぞれ単独だけでなく、複数が相互関係でかかわっていると言えます。
血糖値の負荷を上げにくいことやエネルギー密度など、果物や野菜の機能面も、重要な役割を果たしている可能性があります。

特に重要な栄養素

野菜や果物の中で特に有益かつ重要な物質は、抗酸化ビタミンを含む栄養素であるようです。
葉酸、 食物繊維、カリウム、ビタミンC、カロテノイド、フラボノイドなどの果物や野菜に含まれる抗酸化化合物は、動脈のコレステロールの酸化を防ぐことによって心血管疾患のリスクに影響を与える可能性があります。
リコピン、β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチンなどの主食性カロテノイドの役割についても、心臓病の予防の観点から注目されています。
一つの野菜だけでなく、より多くの種類の野菜や果物を摂取することが大切であることがわかります。

ただし、β-カロテンの大量投与の実験では、アスベストにさらされた喫煙者および作業者の肺癌の発生率に悪影響を及ぼすことがわかりました。
これらの栄養素を含むサプリメントを大量に摂取することは、有効性と安全性の面から推奨されていませんので注意が必要かもしれません。

まとめ

果物や野菜の摂取量をより増やすことにより、心血管疾患のリスクを減らす可能性があります。
ビタミン、食物繊維、ミネラル、植物化学物質の供給源として、バランスのとれた食事の一部として果物や野菜をたくさん食べるべきであることは明らかです。
さらに、いくつかの栄養素の複雑な関わり合いが心疾患の予防のために相互作用する可能性があることがわかっています。
つまり、心血管疾患から身を守るためには、個々の栄養素よりも、食事全体や食事のメニュー、パターンなどに焦点を当てることの方が有効な可能性もあっておすすめと言えるのかもしれません。

沢山の種類の野菜を摂取するためには、冬の時期にとらわれずにお鍋や煮物などが選ばれやすいかもしれません。
ただし、抗酸化ビタミンを含む栄養素は、ベリー類、トマト、赤ピーマン、ほうれん草、ナッツなど、そのまま食べられる食品群も沢山存在しています。
色々な種類の野菜や果物を、色々な調理法で摂取できるよう心がけることが、心血管疾患をはじめとする健康や予防につながることは間違いがないと言えそうです。

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参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26192884/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14525683/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16762935/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16309738/

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