胃腸をいたわる「キリストの涙」マスティックガム

2021年06月24日

胃腸の健康は食べ物や食事で予防

マスティックガムをご存じでしょうか?
マスティックガムは、ギリシャのキオス島に生息するピスタチオ科の樹木で天然のハーブの一種です。
2500年前よりギリシャ人によって注目され、当初より料理のほかに薬用としても使用されてきたと伝えられています。
胃腸の健康やメタボリックシンドロームなどにも使用されているマスティックガムは、「キリストの涙」とも呼ばれ重宝されてきました。

・マスティックガムと胃腸の健康

歴史的には、マスティックガムは紀元前5世紀にヒポクラテスによって消化剤として使用されたとされています。
その後も研究が重ねられ、消化器系の不快感や腸の内壁の損傷を保護するのに効果的であることが裏付けられているようです。
その後の研究では、毎日のマスティックガムの摂取により十二指腸潰瘍患者の80%で消化症状が緩和されたことが示されているとのことでした。
症状が改善しただけでなく、内視鏡検査により、十二指腸潰瘍はそのほとんどが治癒したとの報告があります。
十二指腸潰瘍以外にも、胃腸への強い保護力をマスティックガムは持つことがわかっています。

・マスティックガムとピロリ菌

ピロリ菌は、近年多くの人が悩まされており、若い年齢層の人であってもピロリ菌に悩まされている人も少なくありません。
日本人では、40代以上で約7割が感染しているとも言われています。

ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)は、人の胃に生息するらせん型の細菌です。
胃の内部は、胃液に含まれる塩酸によって従来は最近は生息できないとされてきましたが、ヘリコバクターピロリは生息することができます。
ヘリコバクターピロリの感染により、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌やなどの発生に繋がることが報告されています。

しかし前述のとおり、マスティックガムは、消化器系や腸の内壁の損傷を保護することができるためヘリコバクターピロリの効果的な治療法であることが報告されています。

・マスティックガムとメタボリックシンドローム

マスティックガムの摂取により、代謝バランスを調節することができるようです。
具体的には、8週間のマスティックガムの摂取の実験により、総コレステロールと空腹時血糖値が大幅に低下したとの報告があります。
また、メタボリックシンドロームのもう1つの原因である高血圧に関しても、動物と人間の両方の研究で、マスティックガムは収縮期血圧と拡張期血圧を急激に低下させることが示されました。
このように、マスティックガムの研究により、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高血圧、そしてメタボリックシンドロームにもサポートしていることが示唆されています。

・マスティックガムとクローン病など

マスティックガムは、クローン病にも効果を示すようです。
研究によると、軽度から中等度のクローン病の患者にキオスマスティックガムを補給することにより、クローン病の活動指数、が大幅に改善したことが示されています。
実験において毎日2.2 gのマスティックガムを4週間補給したところ、便通が整い健康状態がとてもよくなったそうです。

マスティックガムはまた、非ステロイド性抗炎症薬の摂取による損傷から胃腸バリアを保護するのに役立つことが複数の動物モデルで示されています。

まとめ

胃腸のトラブルは誰にでも起こることで、大変不快なものです。
普段は我慢していたり、市販の胃腸薬で対応される方も多いかもしれません。
しかし、もしかしたらピロリ菌が住み着いているかもしれず、放置することにより胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌などの重篤な疾患につながることも懸念されます。
また、メタボリックシンドロームに悩まれている方や、代謝がうまく行われているかが不安な場合、治療法を模索されている方も多いのではないでしょうか。
気になる場合はマスティックガムを取り入れることを検討してみることもおすすめといえそうです。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19879118/
https://bit.ly/3PliJUX

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