ファンクショナルヘルスやファンクショナルメディスンの食べ物や食事と栄養素の実践

2017年09月27日

たんぱく質

 

ファンクショナルヘルスやファンクショナルメディスンの土台ともいえる食べ物や食事と栄養素の実践におけるおすすめについて実際に専門家がどのような点に留意しているのでしょうか。

ファンクショナルメディスンで世界的に知られる専門家のおすすめからヒントを考えます。

 

ファンクショナルメディスンとファンクショナルヘルスの転換:

日本でも近年はファンクショナルメディスンという言葉を耳にしたり目にしたりする機会があります。

役割に応じて臨機応変に選択することは多くの引き出しを備えているからこそ実践できることではないでしょうか。

ファンクショナルメディスンで世界的に知られる専門家の多くは身内や自らが実際に疾患にかかり、今までのやり方では上手く対処しきれなかったことがきっかけになり、ファンクショナルメディスンの実践に踏み切った人も少なくありません。

そのような動きが少しずつうねりになってきているのにはいくつかの理由があるように思えてきました。

その1つは現代病ともいえる複雑に症状が重なり合っていることから生まれてきているように思えます。

実際に昨年のスタンフォード大学の医学部の卒業式において学長が言われた言葉の中に含まれていたのは、現代クリニックや病院を訪れる人の78%は慢性疾患であるということに大きな意味が込められているように思います。

また、診断のプロにはなれたものの治療のプロになれた訳ではないという言葉の中にも大きな意味が含まれています。

以前であれば何かの症状には特定の対処で済んだものが、78%の人のように慢性疾患であれば、何か1つの対応方法で済むとは限らなくなってきていることがファンクショナルメディスンやファンクショナルヘルスが生まれてきている背景にあるように思います。

上記以外の他の理由として考えられるのは、少なくともアメリカにおいては医療費や薬剤、保険料の高騰も理由になっているかもしれません。

日本では医療費が上がったといえどもほとんどが私たちの税金でまかなわれていることからも個人負担になっている金額ではわからなかったり気づかない点も多いかと思いますが、アメリカのように自分たちの負担になっている場合では医療費にかかる金額や保険料はとても高いものになります。

病気になっても簡単には病院に行くことができなかったり、治療費が高くついたり、保険に入れなかったりすることも少なくないことの影響もファンクショナルメディスンへの転換の後押しになっているようにも思います。

それと日本ではあまりニュースにはなっていませんが、難病に指定される数や人の多さについてもアメリカでは7,000種類を大きく上回っている状況にまで膨らんでいます。

実際に私たちの周りでも同じとは言わないまでも似た状況になっていることが考えられることからも臨機応変に対応することが求められる時代になっているように思います。

あとは、何よりも食べ物や食事、それに栄養素の変化も後押しをしているのではないでしょうか。

 

食べ物や食事と栄養素の背景:

昔はその土地にある食べ物でしか食事にありつけることはできない時代が長く続いてきました。

食べ物そのものの形があり、他に加工を加えたり、何かを遺伝子組み換え操作をしたり、日持ちさせるために防腐剤を加えたり、色味がきれいに美味しく見えるように添加物を加えたり、かさを増すために何かを加えたりする必要もありませんでした。

そういう意味においてはここ100年で食べ物や食事、それに食べ物に含まれる栄養素についても大きな変化が生じています。

今の時代は便利になり、どこにいても好きな食べ物にありつけますし、食事をしたい時に選り好みさえしなければすぐに食べ物を手にすることができますし、食事も簡単にできます。

また食べ物だけはなく、それらを育てる土壌についても今となってはさまざまな手が加えられるようになりました。

そのように便利になった反面、カラダへの負担も生じるようになってきているといえます。

何かの食べ物に対して不耐性があったり、アレルギー反応が出たり、アレルギーとは言い切れないまでも体内で消化や吸収がされにくくなっていることも少なくありません。

カラダは昔のまま変わっていませんので、体内に入った時にカラダが自然に危険を察知して、異物ととらえて攻撃をしかけることもあります。

食べ物や食事、食べ物に含まれる栄養素の変化もファンクショナルヘルスやファンクショナルメディスンを後押しすることになった原因にもなっていると考えられます。

 

カラダを傷付けない食べ物や食事:

私たちのカラダは今迄に食べて来たものでしかつくられないことを考えると、カラダの不調につながるのは食べ物や日頃の食事と大きな関連性があるといえます。

ファンクショナルメディスンの実践をする場合において多くの専門家が最初に実行することをおすすめするのは食べ物と食事の選択についてであることが一般的です。

まずは食生活の見直しが行なわれ、食事の内容について考え、腸内環境の改善を行なうことでカラダ全体を診て行くというのが基本であり、土台にもなっています。

カラダを傷つけている食べ物や食事を見直すことの中で、一般的なファンクショナルメディスンの実践においては少なくとも下記の3つについておすすめされています。

 

・グルテンフリー:

小麦をはじめとするある種の穀物などに含まれるたんぱく質の一種のグルテンを含む食べ物を食事から抜くという考えです。

現在アメリカで流通されている小麦の90%以上は遺伝子組み換え作物によってつくられた小麦ですが、日本にも多くの食品に含まれています。

小麦粉を使用した食べ物を食べた時に不耐性やアレルギー反応のような状態がおきやすく、カラダを傷つけていることからもグルテンフリーをおすすめしています。

小麦粉を使った食べ物が主食のような状態になっていて、多くのメインディッシュにも含まれるグルテンですが、欧米では日本以上に大変な食生活になっていることがイメージいただけるのではないでしょうか。

 

・乳成分フリー:

日本でもアレルギー反応を引き起こす食べ物の中に乳製品があります。

私たち日本人は乳成分を含む食べ物や飲み物は消化しにくいと言われてきましたが、実は日本人だけではなく他の多くの国においても同様の報告がなされています。

ファンクショナルメディスンの現場では食べ物や飲み物の見直しの中に乳製品は最初に挙げられる3つの中に含まれています。

 

・インスリン、血糖値、GI値の高い食べ物や飲み物に留意:

食べ物や飲み物、食事をしている間、その後、1〜2時間後に血糖値が急上昇することはカラダの中で炎症を加速させる原因にもなり、さまざまな症状を引き起こす原因にもつながることからも注意されることが少なくありません。

糖質や炭水化物でも精製されて白い色をした食べ物の多くは血糖値をあげやすく、GI値も高いものが多く、その一方で食べ物そのものの形をしている方が一般的には血糖値を挙げにくいものが比較的多いといえます。

ただし、品種改良がなされて糖度が高くなっていることも少なくなく、その場合には血糖値も上がりやすく、GI値も高いことが多いといえます。

多くの野菜やたんぱく質はおすすめされることが多いのですが、野菜の中でジャガイモのようにでんぷん質が多い食べ物は注意がなされています。

上記のことからもミトコンドリアをはじめとするカラダを傷付けやすい食べ物や飲み物の例としてよく挙げられるのが、グルテンや乳製品、炭水化物も含む糖類、血糖値やGI値が高い食べ物や飲み物が含まれます。

 

参考にした情報:

ザ・フィブロフィックス・サミット(米国開催)

ファンクショナルメディスンマトリックス

マーク・ハイマン博士

2016年6月21日

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