炎症と関係するコンディションや症状と原因について

2017年07月19日

炎症

 

炎症と関係している症状や疾患とそれらの原因については一般的に私たちが考えているよりも奥が深そうです。

体内で炎症が発生することでどのようなコンディションや症状に発展しているのかについての報告がなされています。

 

炎症について:

炎症についての定義は、生理学の教科書(ガイトン生理学原著11版 p.453 炎症)によると、「細菌、外傷、化学物質、熱、その他の現象によって組織障害が生じると、障害を受けた組織から多くの物質が放出され、障害を受けていない周囲の組織に劇的な二次的変化をもたらす。この組織変化をまとめて炎症inflammationと呼ぶ。」と記載されています。

また、炎症に関係するいくつかの特徴について、局所の血管の拡張とそれによる過剰の血流、毛細血管の透過性亢進による大量の体液への漏れ、毛細血管から漏れたたんぱく質によって発生する体液の凝固などが挙げられています。

近年日本でも問題となってきているような症状の1つで、腸から始まる障害で腸管漏れを意味するLGS(リーキーガット症候群)は、特にアメリカをはじめとする国で多くの人たちが患っているような炎症は、腸からさまざまな物質が腸内から漏れることで血流に流れ出し、脳や他の弱いところに到達することについても、炎症のわかりやすい例といえるのではないでしょうか。

 

炎症と関係するコンディションや症状として報告されている例:

・腸の炎症障害:

 腸の炎症で上記で挙げた腸管漏れ症候群の意味を持つLGS(リーキー・ガット・シンドローム)は、アメリカの国民の半数以上が患っている可能性があるとも報道されており、今でも大きな話題の1つといえます。

 日本でもリーキーガットを患っている人の数は相当する存在している可能性が指摘されています。

 

・アレルギー:

 日本でもアメリカにおいても、あるいは他の国でも同じような状況にあるかもしれませんが、以前は特異なという意味から名付けられたアレルギーという言葉は、現代ではもはや一般的な炎症の症状になりました。

 日本ではとりわけ花粉症を患っている人も多く、花粉症の場合にも何らかの食品アレルギー反応を持っていることが報告されています。

 そう考えると、3人に1人の割合以上の人が炎症を持つ何らかのアレルギー反応を示していることにもなります。

 

・湿疹(しっしん):

 湿疹は虫にさされたりする外からの刺激による炎症ではない場合には、体内からの何らかのサインであることが考えられます。

 特にアレルギーの1つでも知られるアトピー性皮膚炎のような炎症についても、腸内環境が乱れていることが報告されています。

 湿疹をはじめとする体内からのサインによる炎症は、腸内環境のミラー(鏡)という言葉が存在するくらいに腸内と皮膚の関係は深いことがうかがえます。

 

・喘息:

 アレルギー同様に喘息についても30年前にはあまり存在していなかったような症状の1つといえます。

 

・自己免疫障害:

 自己免疫疾患をはじめとする自己免疫についての障害もアレルギー同様に増えている症状の1つです。

 本来は体内にスムーズに取り入れられる栄養素や他の物質も、自己免疫障害の場合には身体を保護するために、自らの免疫を攻撃していることから食べ物や食事に影響を与えるだけではなく、疲れやすくなったりするなどの体調を崩しやすい状態となります。

 

・不安症やうつ症状:

一時的な軽度の不安は別として不安な感情が出やすい不安症やうつのような症状についても炎症と関係しているコンディションに含まれていることについては、驚かれるかもしれません。

感情や精神的に大きく関わっているストレスホルモンでも知られるコルチゾール、幸せホルモンとも呼ばれるセラトニン、睡眠ホルモンでも知られるメラトニンなどは腸内環境と密接に関わっていたり、そもそも腸内で作られるホルモンもあることを考えると、炎症と関係があることも理解できるのではないでしょうか。

 

・ADHD:

日本の子供の間でも増えてきているADHDをはじめとする症状は今後益々注目されることになりそうです。

アメリカでは既に4〜17歳の子供たちの中でも640万人もの子供達がADHDと診断されている状況で、ADHDと診断されている子供達の数はここ8年間で42%も増えているのが現状です。

多動症という症状の診断だけでも男性であれば人生の中で12.9%の男性が診断されていると報告されています。

 

・自閉症:

ADHDと同じく子供に関係が深い自閉症についても同様に増えていることが報告されています。

アメリカ政府機関のCDCの最新情報によると、1980年には4,853人に1人だった自閉症の子供の割合が、2026年には2人に1人になると予測されていることが最近になって発表されています。

自閉症においても体内の炎症と関係が深いことが報告されています。

 

上記のような炎症に関わる症状は幅も広く奥も深そうです。

何かの食べ物にアレルギー反応が出たり、花粉症を患ったり、湿疹のような皮膚の表面にサインが出たりすることが多い場合には、特に食べ物や日頃の食事を中心に見直してみることがおすすめといえます。

 

参考にした情報:

生理学の教科書(ガイトン生理学原著11版 p.453 炎症)

ヘルスライン 数値で観るADHD:事実、統計、そしてあなた healthline.com アクセス日:2017年5月28日

Nurrishing Hope米国財団 What the Science Says

 

 

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