妊婦や授乳中と子供にDHAがおすすめされる理由

2016年07月04日

腸内環境と腸内細菌

 

妊娠をした時に婦人科の病院で葉酸をおすすめされることは聞きますが、アメリカでは妊娠中だけにとどまらず、妊娠を計画した時や授乳中についてもその産みの親と子供にもDHAやEPAがおすすめされることが増えています。

 

現代を取り巻く環境:

医療費や保険費用が高く、妊娠前後や授乳中、小さい子供にはあまり薬を使いたくないというのは理解しやすいと思いますが、その裏腹にそれらが必要になる機会も同時に増えているようです。

とりわけアメリカのようにアレルギーだけにとどまらず、全体の約3%存在する早産や帝王切開が増えており、それらの子供たちが成長した際にはアレルギー体質、自閉症、ADHDなどを発症する確率が高まるなどの理由から、何かと国も教育機関も高まる医療費に歯止めをかけるべく働きかけており、その一環として注目されているのが積極的予防の食事法やその補助食品としてのサプリメントです。

 

妊娠前、妊娠中、授乳中にDHAEPAの調査報告:

婦人科の教育にもチカラを入れているカンザス州立大学の調査によると、妊娠中で出産まで残り3分の2の期間中にフィッシュオイルのオメガ3脂肪酸のDHAを1日600mg補うことでその26週間の継続摂取だけでも現在の2.96%から2.75%に早産を減らせるとして、その結果だけでも米国医療費が日本円で何千億円も削減できるという試算を公開しています。

またDHAやEPAの摂取期間を26週間以上にしたり、中長期的に実行した場合は更なる健康増進と、多くの費用削減効果が見込めるとのことです。

 

15%の早産予防と報告:

別のオーストラリアの研究グループが行なったDHAやEPAを使用した新しい調査報告でも、妊婦がDHAサプリメントを摂取することで早産を15%程度減らせると報告し、その効果は日本円に換算した場合に年間医療費は1,200〜4,000億円程度減らせることになると試算した報告も新たに専門誌に報告されています。

 

良質な脂肪酸が注目される理由:

今回はDHAやEPAのフィッシュオイルと妊娠中や授乳中とその子供に与える影響についての報告でしたが、近年の報告で良質な油である脂肪酸は肥満に関係するものではなく、その反対に良質なオメガ酸の油を多く摂取することで体内脂肪の燃焼を促すことにつながってダイエットに効果的であることや、アルツハイマー型認知症などの予防にもつながるとして、注目を集めています。

日本では油というと、固定概念として先にカロリーばかりが先行してしまいがちですが、今後は更に多くの報告が日本でも公開されてくるのではないでしょうか。

 

オメガ3とオメガ酸

 

参考にしたソース:

PLEFA Vol.102~103, pp.5-11,

Vol.111, pp.8-10.

2016年8月号 doi:10.1016/j.plefa2016.05.008

DHA and the return on investment for pregnancy outcomes

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