ルテインと目の健康と炎症

2015年04月30日

光

 

目の健康の大切さ:

目の健康を維持することはすなわちものごとを観る視界をクリアーにしておくことにつながりますが、一般的に年齢を重ねることで黄斑変性、白内障や緑内障をはじめとする視界低下と関係する症状が出始めることもあります。

 

目の健康に関係があると報告されているカロテノイドアンチオキシダント(抗老化)成分の中でも、とりわけ公私共に研究に広がりを見せながら積極的に進められている成分が日本でも知られるルテイン、そしてゼアキサンチンではないでしょうか。

 

研究で良い結果が報告されることが多いこともあり、更に研究が進んでいくと報じられており、アメリカ国内だけでもルテインの市場規模は日本円に換算すると100億円以上となっているとのことで、注目度の高さがうかがえます。

 

 

ルテインと目の健康の発見:

ルテインと目の健康の関連性については、カロテノイドを豊富に含んでいるほうれん草をはじめとする濃い緑葉色野菜を摂取することで、目の健康に大きく関係するAMDが著しく減少したことをハーバード大学のジョアンナ・セッドン医学博士と彼女の同僚らによって発見されたことが最初と伝えられています。

 

 

最近の研究報告:

近年の経済発展や食生活の変化などもあり、子供のたちの中にも視力が弱く眼鏡やコンタクトレンズを使用する時代となっていますが、白内障や緑内障などの症状の多くは年齢を重ねることによって生じることが一般的のために、加齢による年齢関連と白内障や緑内障などとの関係性についての調査も多いようです。

 

調査のなかでも目に良いとされる食品摂取だけでは詳細を追求したり、普段の食生活で特定の食材を日々食べ続けることは自然ではないことからも、研究や調査には目の健康に良いとされるルテインやゼアキサンチンなど抗酸化作用のカロテノイドに属する成分や、ビタミンAビタミンEをはじめとするビタミン類が調査対象に選ばれることが多く、今回のご紹介も10mgのルテインとゼアキサンチン、そして偽粒のプラセボのグループに70名の被験者を分けて、1年間毎日摂取した場合に一般的な目の健康に関係する眼斑や目の炎症にどのような変化が観られるかの調査報告です。

 

研究者の報告によるとルテインとゼアキサンチンを毎日10mg摂取したグループの方が、偽粒と比較した場合に目の健康と関係するsC5b-9と呼ばれる炎症マーカーの値が大きく低下したことが報告されています。

 

今回行われた70名の平均ではルテインとゼアキサンチンのグループではその値が毎月1.1ng/ml程度減少して年間では60.3ng/mlから終了時期には46.3まで落ちて炎症度合いが大きく改善し、偽粒のグループでは目の健康と関係するsC5b-9の炎症マーカー値が逆に増加していたことからも、明確な理由はわからないものの、目の炎症に大きく差が出た事実をデータが示したことと、ルテインを増量摂取することは眼斑に直接有益なだけではなく、炎症にも効果があることを新しい研究でも報告されました。

 

 

食品に含むルテインやゼアキサンチン:

ルテインやゼアキサンチンの抗酸化作用を持つカロテノイド成分は特にほうれん草やケールのような深い緑色をした葉ものの野菜に含まれていることで知られています。

 

それらの野菜以外ではオレンジやブドウ、卵の黄身にも少量含まれることが報告されています。

 

食品で十分に補えない場合に補助としてサプリメントが推奨されることもあり、ルテインで安定した高い品質はヨーロッパ産が欧米では人気のようです。

 

 

JAMA, Vol.272:1413-1420

Acta Ophthalmology volume93 number2;141-145 doi10.1111/aos.12535 Lutein supplementation leads to decreased soluble complement membrane attack complex sC5b-9 plasma levels

 

 

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